映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ざっくり感想(ネタバレあり)

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、初日にIMAX3Dで鑑賞してきました。



本作はMARVEL公式Twitter

(書いてみたら核心的なネタバレには触れないでいけたんですけど、ネタバレには変わりないんで、万が一観てない人がいたらまず映画館にダッシュしてください!面白いのは間違いなく言えるんで!)

あ、ちなみにIMAX3Dの没入感も良かったのですが、画面の情報量がめちゃくちゃ多いので、もしかしたら2Dのが見やすいかもしれません。これは後で確認します。





(以後ネタバレ含む)





2008年の『アイアンマン』から10年、18作品を積み重ねてきたMCUマーベル・シネマティック・ユニバース)の集大成となる今作。ですが、はっきり言って今作は「サノス(敵役)」が主役でした。

前作『ブラックパンサー』のヴィラン(敵役)、「キルモンガー」は、その深みのあるキャラ造形からMCU屈指のヴィランとされ、一部で「実質キルモンガーが主役じゃね?」と言われるほどでしたが、今作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では、間違いなく意図的にヴィランである「サノス」を主役とした物語を展開していました。

物語の中心となるストーリーは、「サノスが世界の人口を半分にするため、強力な力を持ったインフィニティ・ストーンを集めようとし、それにヒーローたちが立ち向かう話」と要約することができると思います。

それ自体はヒーロー物の王道ストーリーなのですが、今作では明らかにサノス側のドラマにフォーカスしており、それに対してヒーロー側のドラマはかなりオミットされています(後の布石は大量にあるのですが、それは後述)。

今作のサノスは、娘(がモーラ)や部下たちに対する愛情を隠そうとせず、それでいて目的のためなら犠牲も厭わないキャラクターとして描かれており、彼の物語は、一種のピカレスクロマン(法律の外で主人公が活躍する物語)と取ることもできます。

彼の「全宇宙の人類を半分にする」という目的も、「宇宙の資源は限られているから、増え過ぎた種は間引かねばならない」という、極端ではあるものの、一理あるとも思えてしまう理論の上ににあるもので、彼に「ただの悪役」以上の深みを与えています(その思想を持つに至るきっかけなどは、次回描かれるかもしれません)。

このようにヴィランであるサノスをしっかりと描きこんだ理由としては、まず「全宇宙のヒーローを集結させるには、それ相応のヴィランでなければならない」ということがあるでしょう。これまでのアベンジャーズでも、「ヴィランが弱すぎる問題」はずっとありましたが、それから「ガーディアンズ」の面々や、なんでもアリの「ドクターストレンジ」なども加わり、大抵の敵では危機にもなりません。ヒーローが活躍するには、「大きな危機」が必要であり、その危機が大きいほど、解決した時のカタルシスも大きくなります。まして今作は10年間の集大成ですから、魅力的なヴィランの描きこみは必須だったのでしょう(部下の四天王はいつも通りな感じですが)。

ヴィランの描写を増やせば、当然ヒーロー側のドラマを描ける時間は少なくなります。それで今作はどうしたかというと、中途半端にヒーロー側の物語を描くことはせず、展開上の必要最低限にとどめ、あとはバッサリとカットしてしまいました。ただその「必要最低限」がめちゃくちゃ行き届いており、序盤のキスシーンでむしろ後の別れを予感させたり、初対面or久しぶりのメンツに説明するという程で個別作の流れをざっくり説明してくれたり(ガーディアンズとソーは「不幸自慢」会話でさらにギャグもプラス)など、スマートかつ的確な描写がなされています。一方で、スタークとキャップの和解や、バナーとウィドウの関係など、大きなところはほとんど描かれていませんし、絶妙に初期アベンジャーズメンバーが揃わなかったのは、次回で「アベンジャーズ」側の物語を描くための布石でしょう。

また、これだけ要素がむちゃくちゃ多い映画なのに「2時間半」という尺に収まっているのも、サノスに焦点を絞ったことで可能になったのは間違いありません。ただそれでもカットされたシーンは無数にあるでしょうし、それを含めた完全版とかも観てみたいです。

ドラマの中心はサノスですが、アクション的にはちゃんとヒーローたちの活躍がてんこ盛りです。「ナノテク」で済むのかという程自在に変化するアイアンマンや、念願のアイアンスパイダー、キャップ・ウィドウの肉弾戦、やっぱりなんでもあり(でもちょっと弱体化感もあり)のストレンジなどなど、すべてのキャラクターに見せ場が用意されています。

また、10年間の積み重ねがあってこその「ヒーロー大集合感」からの、「あいつとあいつが共闘するのか!」的感動は、間違いなくシリーズ1です。アイアンマン、スパイダーマン、ストレンジ、ガーディアンズの我が強いチームや、オコエ・ウィドウの女戦士コンビ、バッキーとロケットの義手と義肢狙いがちのコンビなどなど、これも挙げてるとキリがないですし、会話だけでも最高です。

しかし、前述の通り「アベンジャーズ」側の見所として、大きいところはまだまだ残されています。そこでざっとさらいながら、次回の見所をまとめていこうと思います。

・トニー・キャップの和解&共闘
おそらく次回のドラマの中心となるところでしょう。もちろんキャップのシールドも復活!(しかし今作のあれは盾だったのだろうか?)。

・ハルク
今作で変身できなくなったバナー。サノスへの恐怖なのか何なのか、ともかく次回は葛藤を乗り越えた上で暴れてくれることでしょう。ウィドウとの関係も気になるところ。

ホークアイ
今作では出番のなかった彼ですが、次回は必ず出てきてくれるでしょう(役に立つかは関係ないのです)。

アベンジャーズ
初期メン揃っての「アベンジャーズ・アッセンブル!」が聞きたいですね(確かちゃんと言ったことはないはず)。

アントマン&ワスプ
今年の8月31日公開ですが、いろんな意味でどうするんでしょうか?

・ドラマメンバー
コールソンとかディフェンダーズの方々もそろそろ出てきていいと思うんですけどね。

ざっとこんなもんでしょうか。なんか身のないまとめサイトみたいな文章になってしまいましたが、上の方に書いたあたりは多分次回の中心になってくるのではないでしょうか。

とりあえず大きめの感想はこの辺りで、細かいところだとドラックスの「透明になれる」の下りで劇場イチの笑いが起きてたとか、フューリーが『キングコング: 髑髏島の巨神』でやってた「例の言葉」が言えないネタをまたやってたりとかいろいろありますが、挙げてたらキリがないのでこの辺りにしておきます。とにかく監督のルッソ兄弟はやっぱり天才でした。

今後また何回か観る予定なので、気づいたことがあれば追記していこうと思います。



【おしまい】