【読書】『三体0 球状閃電』『三体X 観想之宙』(オーディブル版)感想

劉慈欣によるSF小説『三体』3部作を「audible」で聴き終えたので、続けて前日譚的な『三体0 球状閃電』と宝樹による2次創作の「続編」が後に劉慈欣なも認められ公式に出版された『三体X 観想之宙』の2作をやはり「audible」で聴きました。

 

三体0 球状閃電

『球状閃電』は『三体』以前に書かれた作品で、天才物理学者・丁儀が登場するぐらいで物語的な連続性はそれほど無いものの、『三体』とは世界観が緩やかに繋がっています。

 

本作の中心となるのが神出鬼没の球状の雷「球電(ボールライトニング)」。

 

本当に一から十まで球電の話だけで進んでいくのですが、これが無類に面白い。

球電自体は現実に目撃証言もある現象なのですが、流石は劉慈欣、風呂敷の広げ方が尋常ではなく、最後には宇宙の深淵まで連れて行ってくれます。

 

その一方で本作に特徴的なのが、やたら甘酸っぱい恋愛描写。主人公となる雷学者と、球電を兵器として研究する美女軍人のつかず離れずの関係は『三体Ⅱ 黒暗森林』の羅輯妄想パートを思い出しました。

読んでいる間はなんだこれと思っていましたが、ラストのやたらロマンティックな展開に至って、あれは必要なパートだったのだと気付きました。

 

『三体Ⅲ 死神永生』の程心と雲天明の関係などもそうですが、劉慈欣の作品は大きな物語と個人の恋心がリンクしてくる、いわゆる「セカイ系」的なロマンチックさがある気がします(実際劉慈欣は、セカイ系の代表的な作り手である新海誠の『秒速5センチメートル』を好きな作品として挙げています)。

 

ただし劉慈欣の場合は、理論の土台がしっかり固められているため、鼻じらむことなく素直にそのロマンチックさに浸ることができるのです。

 

本作『三体0 球状閃電』は、そんな劉慈欣の魅力が存分に(そして『三体』本編より手軽に)感じられる、とても面白い作品でした。

 

 

三体X 観想之宙

本作は『三体Ⅲ 死神永生』刊行後に宝樹がネットに上げた2次創作。その完成度の高さにファンの間で人気を博し、ついには劉慈欣の公認を経て同じ出版社から出版されるという、まさにシンデレラストーリーな背景を持つ作品です。

 

根本的には「この作品の続きを読みたい!」「明かされていない謎を知りたい!」という、ストレートなオタクの欲求によって書かれた作品ですが、宝樹の確かな知識と筆力によって単なる2次創作の枠を超えた、堂々たるSF作品に仕上がっています。

 

ただ『三体』の考察としてはかなり整合性が取れており納得度も高い一方で、本編にあった宇宙社会の考察やロマンチックさは背後に引っ込んでいて、キリスト教や神話的世界観が前面に出てきているので、空気感は良くも悪くも本編とはだいぶ違うものになっています。

 

本編ファン的には割と好みが分かれそうですが、個人的にはとても感心した一方、本編ほどは刺さらなかったという感じでした。

 

 

ともあれこれで『三体』シリーズは完走したので、次は劉慈欣作品をさらに掘っていくか、物理学系のノンフィクションに行くか迷い中。

 

 

とりあえず今回はこの辺で。

消灯ですよ。

【ドラマ】『相棒22』感想

『相棒 season22』が最終回を迎えたので、今年も感想を書いていきます。

 

まずシーズン前半においては、3話『スズメバチ』や4話『天使の前髪』など、女性の生きづらさに焦点を当てたエピソードが印象的でした。

その一方で、結果的にはどれもそんな女性が犯罪に走り裁かれるという流れになってしまい、なかなかスッキリしない話が多かったです。

 

後半にかけては安定したエピソードが多く、さらに6話『名探偵と眠り姫』では12年ぶりにマーロウ矢木が登場、12話『惡の種』では南井の生存が示唆されたり、13話『恋文』でたまきさんの名前が出てきたりなど、嬉しいサプライズがあったのがよかったです。

 

サプライズで言えば一番は元旦スペシャル「サイレント・タトゥ」で笛吹さんとカイト君の息子が登場したこと。特に笛吹さんはS13における退場の仕方があんまりにもあんまりだったため、元気な姿が見れて嬉しかったです。いつかカイト君も顔を見せてくれないだろうか。

 

個人的に良かったエピソードは7話『青春の光と影』、8話『センチメンタル・ジャーニー』、12話『惡の種』、15話『マッターホルンの殺人』でした。

 

南井というラスボス的な存在も浮上してきて、着実にラストへと近づいている雰囲気はありますが、実際にそのときが来るのはいつのことやら。

何はともあれ最後まで楽しみに追っていきたいと思います。

 

 

それでは今回はこの辺で。

消灯ですよ。

【読書】『三体』3部作(オーディブル版)感想

劉慈欣によるSF小説『三体』3部作を、様々な本を朗読で聴くことができるAmazonのサービス「audible」で聴きました。

 

日本で第1作が出版されたのは2019年(中国本土では2008年)ですが、評判が評判を呼び、現在Netflixでドラマ版が配信中です。

 

今回三体に触れたのはドラマの予習というわけではなく、単に長距離移動のお供に何かないかと探して、たまたま無料クーポンを手に入れていた「Audible」の中で見つけて、時間も長いし(1作目『三体』が17時間)ちょうどいいかと聴き始めたのがきっかけです。

 

そんな感じで何となく聴き始めたら、お話は面白いし「Audible」も聴きやすいしで一気にハマり、全3作(1冊約17時間×系5冊=85時間超)をまとめて全部聴いてしまいました。

 

まず祐仙勇さんによる朗読がとても聴きやすく、人物によってしっかり演じ分けてあるので全く混乱することがなく、スムーズに物語に没入できました(声で「あ!あの人が出てきた!」と分かる感じも楽しかったです。特にトマス・ウェイドの演技は印象的で良かった)。

また、活字で読んでいたら馴染みのない中国の名前や専門用語でつまってしまっていたかもしれませんが、その点音で聞くことでだいぶ理解しやすくなっていた気がします。

 

本作の概要は知っていたはずなのですが、聴き始めるタイミングではすっかり忘れていて、第一部のどこに向かうか分からない楽しさも十二分に味わえました。

 

第二部では羅輯の延々続く妄想デートに困惑こそしましたが、時代がポンポン飛んでいく後半につれてどんどん楽しくなり、とてもよくできた結末に「これをどうやって続けるんだ?」とまた困惑してしまいました。

 

しかしそんな困惑は全くの杞憂で、第三部のあまりに壮大なスケールかつ衝撃の展開の数々に序盤から引き込まれ、最後に至るまでめちゃくちゃ楽しく聴くことができました。全三部の中で個人的にはこの第三部が一番好き。

 

本作はSF的な奇想や三体世界の超技術の楽しさはもちろんのこと、「宇宙社会学」の考察が非常に興味深かったです。

「宇宙社会学」をベースとした「黒暗森林理論」も非常に納得度が高く、社会状況や生活環境で人々の選択は常に変わりゆくという社会心理のありようもしっかり描写されていて、壮大で荒唐無稽な話の中にも確かなリアリティを与えていたと思います。

 

そんなわけでたいへん楽しめましたし、他の劉慈欣の作品も読むなり聴くなりしてみようと思いました。傑作!

 

 

それでは今回はこの辺で。

消灯ですよ。

 

【学マス】「学園アイドルマスター」からコンテンツの変化をぼんやり考える

2024年3月5日、アイドルマスターの新ブランド「学園アイドルマスター」が発表されました。

 

舞台はアイドル養成学校「初星学園」。プレイヤーは同学園のプロデューサー科の大学生となり、高等部のアイドル候補生をプロデュースしていくという流れになるそうです。

 

アイマスとしては2018年の「シャイニーカラーズ」以来6年ぶりの新ブランドとなりますが(スピンオフ的な展開としては2023年4月に活動を開始した「vα-liv」があります)、今回の学マスにおいていくつか興味深い変化が見てとれたので、その変化についてボンヤリ考えていきます。

 

目次

 

ユニットから個人へ

個人的に一番興味深かったのは、本作では基本的に1人のアイドルに絞ってプロデュースしていくという点。

 

2014年に開始した「SideM」から、それ以前の「シンデレラガールズ」と「ミリオンライブ !」もリズムゲームがメインとなるにつれ、アイマス全体ユニットを中心とした展開が基本となっていました。

 

ユニット展開の利点としては、多くのキャラクターを効率的に展開できる点、そしてキャラクター間の関係性を深く描くことができる点があると思います。

 

2010年台に「推し」という言葉が一般化して以降、「自分が好きな対象とどうこうしたい」というよりは、「一方的に眺めるだけで幸せ」的な価値観が主流になっていったと思います。

ユニット展開になると、自分自身と好きな対象との関係は他メンバーの存在によってどうしても薄まります。一方ただ推しを眺めていたいというのであれば、ユニット内でメンバーとわちゃわちゃしてくれている方が良く、むしろ自分の存在は邪魔という感覚になるでしょう。

「シャイニーカラーズ」ではもはや「プロデューサー」はプレイヤーがロールプレイする対象からも離れ、アイドルとプロデューサーの関係を外から眺めているような楽しみ方をされている印象です(私はシャニ未プレイなのであくまで外からの印象です)。

 

しかしここ数年、ストリーマーやVチューバーが人気を博してくる中で「推し」との距離感も少しずつ変化してきている気がします。配信の中では「推し」とコメントで直接コミュニケーションが取れたり、投げ銭で直接的に支援したり、「推し」の存在を非常に近く感じることができます。

学マスの「基本1人に絞ってプロデュース」という内容は、そんな時勢にも合致しているように思います。

もちろん一方ではキャラクター同士の関係性を楽しむ流れも未だ強く残っていて、学マスにおいても「ライバル」という形でその点はきっちり取り入れられているようです。

 

これらの流れは今の時流も感じさせつつ、それでいてアケマスの頃に先祖返りしたようにも見えて、アイマス20周年を前に時代が一周したみたいで面白いと思いました。

 

 

学園という舞台

もうひとつ大きな変化としては「学園」という舞台設定があります。

 

これまでのアイマスは基本的に「事務所に所属した新人アイドルを育成してトップを目指す」という、同じ形をとっていました。

 

それが今回はアイドル養成学校が舞台ということで、デビュー未満かつ、目指す場所もあくまで「学園での一番」を目指すということなので、より「成長」という要素が分かりやすく、これまでとはまた違った物語が見れそうです。

 

特に「物語」に力を入れていることをアピールしているのも、昔のソシャゲのように綺麗なイラストや豪華声優だけが売りのコンテンツより、「FGO」や「ウマ娘」、そして「シャイニーカラーズ」のようにシナリオの完成度が高いコンテンツの方が訴求力が高まっている近年の流れを感じさせます。

 

ところで「学園アイドルマスター」という名前を見たとき、どうしても「スクールアイドル」を描く『ラブライブ!』シリーズを連想してしまい、どう差別化しているのだろうと思いましたが、蓋を開けてみればアイドル養成学校が舞台ということで、完全に『アイカツ!』の系譜でした。

 

なので、2次元アイドルコンテンツとしては全く新しいものではないですが、ある程度ノウハウもあり、大きく失敗するようなことはなさそうです。

 

 

観客の描写

もう一点気になったのが観客の描写です。

 

これまでのアイマスのゲームでは、観客の姿は全く映らず、せいぜいライトの光で表現されるだけだったので、今回の学マスのPVで観客の姿がハッキリ映っていたり、曲に合わせて振りコピ?をするなど観客の表現に力を入れているのが印象的でした。

 

もしかしたら観客の反応によって、ビジュアル的に成長を感じられるようになっているのかもしれませんし、少なくともこれまでのアイマスには無かったライブシーンが見れそうで楽しみです。

 

 

まとめ

というわけで現状分からないところも多いですが、個人的にはこれまでとは違ったことをやろうという意思が明確に感じられて結構好印象でした。

 

最近はアプリゲームにどうにも手が伸びずにいましたが、今回の学マスは触ってみようと思います。楽しみ。

 

 

それでは今回はこの辺で。

消灯ですよ。

『菊地 真 ・ 萩原 雪歩 twin live “ はんげつであえたら ”』感想とライブをリアルに見せる工夫について

2024年3月16日・17日に群馬県ベイシア文化ホールで開催された「菊地 真 ・ 萩原 雪歩 twin live “ はんげつであえたら ”」、第3部の[~純藍~] のみ現地で、他は配信で鑑賞しました。

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このライブは2018年に開催された「THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆
 (アイマスMR)」から始まった、声優さんが一切登場しない、純粋にアイドルだけが登場するライブの最新型になります。

 

アイマスMRは2nd seasonで雪歩の公演を、ENCOREで亜美真美の公演を鑑賞しているので、そこからの変化やブラッシュアップ(アイドルをリアルに見せるための様々な工夫が見てとれました)を中心に触れていこうと思います。

過去のMRの感想↓

ただ個人的に長いこと雪歩担当としてやってきた思い入れがあるうえに、今回はかなり濃厚な古参接待だったため、諸々過剰に受け取っている可能性も十分あるので、その点はご容赦ください。

 

目次

 

コンセプト・セトリについて

「思想が強い」「(本ライブの中心となった女性プロデューサーの)癖がすごい」など言われている今回のライブですが、確かに濃厚ではあるものの、全体としては大半の人(主に古参)が期待するような最大公約数的な内容の範囲にまとまっていたと思います。

選曲も少なくとも2人のうちどちらかが歌っている音源があるものしか入っていないので、違和感どころか聴き馴染みと納得しかないような、腑に落ちすぎて怖いぐらいのセトリでした。

 

物語仕立てのコンセプトも、3公演通しで観ても退屈しない仕掛けとして十二分に機能していたと思います。

 

個人的には雪歩が歌う『First Step』は言わずもがな、『Kosoms,Cosmos』『My Best Friend』『まっすぐ』『First Stage』『i』と、散々聴いた「M@STER ARTIST 09萩原雪歩」の曲(今回カバー曲以外全曲披露された)が流れるたびに時空が捩れる感じがしてヤバかったです。

 

目次

 

配信と現地の違い

今回の面白いところは配信と現地の見え方が全く違うところでした。

配信はTVの歌番組といった様相で、豪華な美術や派手な演出があり、カメラワークもしっかり考えられていて、これ単体で完成された映像作品になっていました。

 

一方の現地はそれなりに凝ったステージセットはあるものの、2人の背景は常に真っ暗で変わることもなく、当然2人は客席の方を向いて歌って踊る、ストレートな「ライブ」の構成でした。

 

今回MCも含め全て収録済みのようで、リアルタイムのコミュニケーションがあるわけではないので、通常のライブと比べて現地のプライオリティは正直それほど高くはないと言ってもいいでしょう。

後述の技術的な問題も含め、現時点ではむしろ配信の方が没入感を得られるかもしれません。

 

では現地の価値が無いかと言えばもちろんそんなことはなく、現地でしか感じられない独特の感覚や発見があったのは間違いありません。

 

言ってしまえば全くインタラクティブでない、ただの投影された映像に向かって、実際それが存在するかのように振る舞っているだけなのに、実際のライブとほとんど変わらない状況が成立していたのがまず興味深かったです。

かつてのアイマスMRでは、現実のダンサーさんを交えたリアルタイムパートとゲームのステージシーンのような非リアルタイムパートがあり、もちろんリアルタイムパートは実際のライブのような盛り上がりがありましたが、非リアルタイムパートは正直どう向き合っていいのか分からず、客席も戸惑っていたように記憶しています。

しかし今回の現地ではそういった戸惑いがほとんど無く、かなり自然に「ライブ」として受け取ることができていたと思います。

 

そのように受け取れるようにするために施されたであろう演出上の工夫は次項で触れますが、個人的には現地で見たものの中では終演後の「お見送り会」に大分やられてしまいました。手を振り会うぐらいの些細なことでも、そのコミュニケーションを取れたという実感にはなんとも形容し難い衝撃がありました。雪歩......。

 

 

ライブをリアルに見せる演出

・マイクを持たせる

今回のライブで一番大きな影響を与えているのは、2人にマイクを持たせたことだと思います。

かつてのアイマスMRの非リアルタイムパートはどの曲も「歌っている」というより「音楽に合わせて踊っている」という印象が強かったのですが、その中で唯一「歌っている」ように見えたのが『MUSIC♪』で、そのステージでは皆マイクを持って歌い踊っていました。

「歌っている」ことを視覚的に示すにあたってマイクはこれ以上ない記号であり、遠くから見ても今どちらが歌っているかが一目瞭然です(まあ今回の2人でどちらの声か分からなくなることは無いでしょうが)。

そして、ステージ上でキャストがマイクを持って歌い踊るのは普段のアイマスライブと同じ光景であり、その意味でも「ライブを観ている」という実感を得やすかったのではないかと思います。

 

・あえて簡略化されたダンス

マイクを持っていると、当然フリーハンドで歌い踊るゲームと同じダンスはできません。

なので今回のダンスは、普段のアイマスライブでキャストの方が踊っているような簡略化されたダンスになっています。

なんなら普通あえて表現しないような、特に踊らずゆらゆら体を揺らすだけの瞬間さえあります。

ゲームのように難しく整ったダンスにすることもできたはずですが、今回はあえて普段のリアルライブで見覚えのある範囲の、少しズレたりもするダンスにすることによって、ちゃんと「人間が踊っている」ように見せることに成功していたと思います。

そして真は力強く、雪歩は柔らかく、それぞれの動きにもしっかりキャラクター性が出ていて、時折そんな2人の動きが重なる瞬間には、ちゃんと良いダンスを見たときの快感がありました。

 

・生の歌声

おそらく今回の歌は全て改めて収録していると思いますが、しっかりライブならではの熱量が感じられる歌になっていました。

何がそう感じさせるかといえば、息継ぎの音ががっつり入っているのが大きいでしょう。 良く聞かなければ分からないぐらいの細かい点ですが、その場で歌っているという印象に大きく影響を与えていたと思います。

 

・現実のライブを完全再現したステージ進行

今回のライブはオープニングがあり、数曲歌い、MCがあり、また数曲歌い……という、いつものアイマスライブを完全再現した構成になっていました。

MCの内容も聞き覚えしかないもので、観客とのやりとりなど、もちろん収録ゆえのギクシャクした部分も多少ありましたが、基本的にはかなり自然に進行できていました。あまりに自然だったため、いつものMCがいかにクリシェに満ちていて、収録でもさして変わらないのだということに気づいてちょっと苦笑してしまいました。

また、アイマスMRの非リアルタイムパートのように瞬時に場面転換が行われるようなことはなく、舞台袖からの出入りなど、しっかりリアルに作り込まれていました。

現地で観ていた[~純藍~]の中で、舞台袖に戻るかと思われた雪歩がやっぱりステージに戻ってきて歌うという瞬間がありましたが、このちょっとした間違いまで意図的に入れていたとしたら、なかなかにすごい作り込みだと思います。

 

 

気になった点

かなり良いライブだったので、特に文句も出てこないのですが、いろんな方が語っているように、スクリーンに客席のペンライトの光が写り込んでいたのはやはり気になりました。

基本的には星空の背景として見れば、それほど気にならない範囲ではあったのですが、照明で客席が明るくなったりするとハッキリ人影まで写り込んでくるので流石に無視できませんでした。

いずれ技術の進歩で解消できることだとは思いますが、仮にゆきまこのようなモノトーンでは無いイメージカラーのアイドルだった場合はより気になりそうな感じはありました(まばらにあるUOもそこそこ気になった)。

 

あとライブ本編とは関係ないですが、早急に限定CDの事後通販をやってほしいです。私が会場に着いたのは14時ぐらいだったのですが、会場に入ると同時にCD完売のお知らせが張り出されて絶望的な気持ちになりました。正直ライブ序盤まで気もそぞろでした。これで事後通販が無かったら、今後素直にこのライブを思い返すことができなくなってしまいそうなのでマジでお願いします。

 

まとめ

さすがに十数年アイマスを追っていると、ハマったばかりの頃の熱量なんてものはとうに消え去ったと思っていたのですが、今回のライブを観て、もはや雪歩に対する特別な感情が消えることはないんだろうなと思いました。まったく難儀なことです。

 

そんなわけで今回は全然冷静に観れなかったので、残りのASメンバーのライブも是非また開催してほしいです。そして限定CDを発売する場合には在庫を潤沢にしておいてほしいです。

 

それでは今回はこの辺で。

消灯ですよ。

【ミリ10th】幸福な10周年イヤーの幸福な千秋楽『Act-4 MILLION THE@TER!!!!』DAY2ほぼ全曲感想

2024年2月24日・25日にKアリーナ横浜で開催されたミリオンライブ!10周年ツアーの最終公演「THE IDOLM@STER MILLION LIVE!10thLIVE TOUR Act-4 MILLION THE@TER!!!!」両日現地にて鑑賞しました。

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今回はDAY2の感想です。

DAY1感想↓

目次

 

最近セトリ良くなってる件

これは10thツアーに限った話では無いのですが、ミリオンのライブにおいて最近セトリが良いなあと思うことが増えました。ここで言うセトリは選曲のことではなく、曲の並び順のことです。

主に5thとか6thの頃ですが、その辺りでは「この曲の後にこれ?」みたいな並びや、機械的にユニット曲とソロ曲が並んでいるのとかが結構気になりました。具体的には5thDAY2の『昏き星、遠い月』の次に『Princess Be Ambitious!!』であるとか、ユニットパートとソロパートが完全に分離していた6thみたいなことです。

 

一応それ以降は終盤にアゲ曲を固めるワンパターン以外、違和感のある並びは減っていて「まあ気にはならないかな」ぐらいにはなっていきました。

それが9th以降、積極的に「この曲の流れ良い!」と思う並びが増えてきたと思います。9thDAY2における『わたしルネサンス』〜『Purple Sky』のダンスミュージック流れとか思い出すだに最高でしたし、 Act-4DAY1の感想でも並びの良さはいくつも触れましたが、『昏き星、遠い月』の次に『dans l'obscurité』で同じゴシックモチーフ曲を並べてるところなんかは5thのそれと比べて良い変化が感じられると思います。

 

ライブではどんな良い選曲でも曲順で台無しになったり、あるいは曲順で何倍も盛り上がったりするものなので、この調子でいいセトリを組んでくれると嬉しいです。

 

DAY2全曲ひとこと感想

1.Rat A Tat!!!

DAY1のラストから連続してやってきたのはちょっと意外。ただDAY2はミリアニ曲が軸になっているので、この開幕も納得。それにミリアニが素晴らしかったことは何度だって寿ぐべきなので、何度だって扉を叩いていい。


2.サウンド・オブ・ビギニング

「みんな〜始まるよ〜!」が聞けて嬉しい。新たな始まりに心躍らせるような歌詞で10周年の千秋楽が始まるのも良い。「SEASON FINAL」の楽曲は配信ライブでも未披露だったので、他の楽曲もハッチポッチ2あたりに期待したい。


3.Star Impression

Act-3における大関さんと小岩井さん2人のパフォーマンスも、初日2日目と表現を変えるなど十分に見応えがありましたが、フルメンバー4人が揃ったステージはやはり圧巻でした。


4.フェスタ・イルミネーション

ミリアニやAct-3のカバーも記憶に新しいこの曲。なんだかんだ本人がちゃんと歌うのも久しぶりなので(4thぶり)本人登場の嬉しさもありましたし、アニメ曲からソロパートへのスムーズな繋ぎにもなっていて良かったです。

 

5.ファンタジスタ・カーニバル

生で聴くのは4thぶりながら最初の「イェーイ!」から楽しくコールできていたのですが、クライマックスの「行くヨ!」のあとの掛け声をド忘れしてファジーなコールになっちゃったのが少し申し訳なかったです(正解は「カーニバル!」)。


6.ユニゾン☆ビート

DAY2はとにかく戸田さんのパフォーマンスが本当に素晴らしかったです。戸田さんは内容を一部制限し一部の楽曲のみ参加とのアナウンスが事前にあり、まだ腰が本調子じゃないのかなあと思い、ソロやるとしても比較的ゆったりめな『Dual Style Idol』かと予想していたのですが、まさかガンガンに踊る『ユニゾン☆ビート』をやるとは。しかもヘッドセットマイクで過去一のダンスまで披露してくれるとは。

ここまで仕上げるのは並大抵のことではなかったでしょうし、その覚悟にすぐ襟を正しました。個人的に5thから戸田さんのダンスを非常に魅力的で観てるだけで元気になるダンスだなあと思っていたのですが、今回のステージはそれをさらに超える感動がありました。これ以降、戸田さんが出てくるたびに感動しっぱなしになるぐらい、本当に素晴らしいパフォーマンスだったと思います。


7.MUSIC JOURNEY

素晴らしい『ユニゾン☆ビート』の熱をしっかり受け止めたうえで、抜群の安定感で楽しく踊れるパフォーマンスをやってのける香里さんもまた素晴らしい。


8.海風とカスタネット

Act-3は配信で観たのでコールするのは初めてでしたが、やっぱりシンプルに楽しい。Act-3は不参加の上田さんと近藤さんの見せ場があったのも良い。


9.オレンジノキオク

ここで「あれ?」と思って、チームの番号順だと気づくまでに少し時間がかかりました。ミリアニ作中での披露順はAct-3でやっているので、いい差別化だと思います。これは会場でオレンジの一部になれて嬉しかった。


10.ABSOLUTE RUN!!!

もういちぽむ出すのかとびっくりして、しかもこの曲をやるのかと2重でびっくりでした。エモを取るなら『君との明日を願うから』一択だったと思いますが、この後の展開を考えるといちぽむとしての置き所が意外と無いですし、それなら序盤にさらっと出しちゃうという判断は面白いなあと思いました(それならこの選曲も納得)。カメラで遊ぶ演出も楽しかったです。


11.catch my feeling

今回りえしょんが初参加でついにフルメンバーが揃った形ですが、亜利沙の歌うま成分が加わることで歌に一気に深みが出て曲が完成した印象でした。


12.バトンタッチ

ミリアニ新曲の中でも好きな曲だったので、オリメン披露を生で聴けて良かった。印象的なバトンを繋いでいく振りも、フルメンバーが揃ったことでバッチリ決まっていました。


13.恋愛ロードランナー

海美の王道ストレート曲といえばこれ!あとは筋トレの曲しかない!このステージにおける上田さんの仕上がりっぷりがすごくて、カメラワークもバッチリ決まっていましたし、これは昔からそうですが、普段の穏やかさから想像できないほどのパワフルさで、まさにプロのパフォーマンスを感じました。その上でこのパフォーマンスの完成度を超える圧倒的な魅力に溢れていて、これはみんな好きになっちゃうよなと思いました。


14.パーフェクトゲーム

最高の曲。今回初期曲から最新曲まで幅広く披露されたので、イントロでどの曲か判断するのが難しかったです。「あ!このイントロは最高の曲!……なのは分かるけどなんていう曲だっけ……?」みたいな瞬間がよくありました。この曲もそう。

もちろんパフォーマンスは最高で、専用衣装+スタンドマイクでカッコよさも倍でした。


15.フローズン・ワード

「フローズン・ワード」。恵美のソロはどれもいい曲ですが、やはり印象深いのはAct-1でも披露された『アフタースクールパーリータイム』とこの曲の初期2曲。感極まりながら歌うゆきよさんに昔を思い出しつつ、こちらもグッときてしまいました。


16.Sing a Wing Song

この前のソロパートで歩や海美が初期曲を歌っていて、MS2ソロ未披露組でもあえて歌ったりはしないのかなあと思っていたので、不意にこの曲が聴けて嬉しい……のは間違い無いのですが、会場の音響なのかミックスの問題なのか、オケがやたら大きく聞こえて歌が聞こえづらかったのが少し残念(後の『深層マーメイド』の時も同じような現象があった気がする)。


17.花ざかりWeekend✿

最近までコンスタントに披露されていて正直新鮮味はそれほどですが、聴けば結局楽しくなる。やはりこれをやらずに10周年は終われない。


18.Unknown Boxの開き方

この曲はポップなようで拍子がコロコロ変わったり、コールが地味に複雑だったり、ちゃんとノろうと思ったら意外と難しい。しっかり聴き込んだうえで完走できた瞬間には謎の達成感がありました。


19....In The Name Of。 ...LOVE?

瑞希のソロの中でもかなり印象的な一曲だったので、大きなライブで披露したのが3rdのみで、今回その3rdぶりの披露だったというのをあとで調べてとてもびっくりしました。語りのパートが多く、これはこれでライブで映えるなあと今回のパフォーマンスを観て感じたので、是非フルのステージをまた観たいです。


20.教えてlast note...

個人的にこの曲は「M@STER SPARKLE」の各種ソロの中でも結構好きで、今回不意に聴けて嬉しかったです。改めて可憐のソロは独自の世界観があってどれも好きだなあと思ったりしました。


21.初恋バタフライ

美也ソロの中でも異色なこの選曲に思わずドキッとしてしまいました。その上で「10年後のわたしを見て」と10周年の場で歌う感慨もあり、まさに完璧な選曲でした。


22.恋心マスカレード

『教えてlast note...』からのシリアスな曲の流れがとても良くて、その流れのクライマックスとして申し分ないステージだったと思います。LTP12勢としても満足。


23.dear...

ラブソングブロックを締めるならこの曲しかない。初期のミリオンにおいて楽曲の強さを印象づけた曲でしたが、10年経った今も色褪せないオシャレさでした。


24.トワラー

フルメンバーが揃い完成版となったトワラー。歩の歌声が入ることによる締まり方が半端なかったです。ギターを弾く愛美さんの周りで3人が体を揺らす光景は多幸感に満ち溢れてました。


25.わたしは花、あなたは太陽

コミカライズはなかなか手が出なくて、正直この曲が収録されてている「ブランニューソング」も未読ですが、万感の思いは伝わりました。mekakusheさん曲というのもありますし、ちゃんと読んでちゃんと聴きます。すいません。


26.Dance in the Light

『夢みがちBride』と『カンパリーナ♡』をやったのだから、これをやらないわけがない。ただ原曲は伊織の甘い歌声がかなり印象的な曲なので、伊織抜きだとどうなのだろうかと思っていましたが、そこは逆に歩の低音を柱とした力強い仕上がりになっていて、これはこれで素晴らしかったです。


27.鳥籠スクリプチュア

一つ、心に信仰を忘れないこと
二つ、労働を惜しまないこと
三つ、精神を鍛えること
四つ、隣人を労わること
五つ、常に相応しくあること
六つ、聖地を敬うこと
七つ、祝福を受け入れること

全ては騎士団の名の下に!

……8割ぐらいは言えました!


28.瑠璃色金魚と花菖蒲

この曲はAct-3でも披露済みでしたが、やっぱり紬といえばこれ!ということでの選曲なのかなあと思いました。そしてこの選曲も納得な圧倒的なパフォーマンスでした。元々凄かったのに聴くたびにどんどん研ぎ澄まされている気がします。


29.Up!10sion♪Pleeeeeeeeease!

亜利沙のソロ自体結構久々だった中のこの曲なので、その盛り上がりは尋常じゃないものがありました。りえしょんも全力で煽りにきていて、短いながらも濃く楽しいステージでした。


30.Happy Darling

10年来聴いてるので流石にコールも入っているのですが、その分ショートバージョンへの対応にはなかなか難しいものがありました。なんとか「応援するよ!」は咄嗟に言えたので満足。


31.Clover Days

コミカライズはなかなか手が出なくて(以下略)。モニターで漫画の吹き出し風に歌詞を表示する演出が面白かったのと、中盤の台詞再現?は原作を読んでいれば感動もひとしおだったろうと思います。これからちゃんと読みます。すいません。


32.REFRAIN REL@TION

Act-3は配信だったので、ここにきて改めてミリアニの曲を生で聴けた感動をしみじみ感じました。そしてAct-3同様ラスサビで全員集合する手も大いにあったと思いますが、そうやってここをクライマックスみたいにしなかったのも結果的に良かったと思います。今回は全体的に一時期繰り返してたような曲中よサプライズ登場が最後の最後の未来飛行に絞り、演出も抑制が効いていて安心して観れました。サプライズ演出はその場では盛り上がるのですが、今後繰り返し観るようなライブはやはりシンプルな方が色褪せない気がします。


33.BORN ON DREAM! ~HANABI☆NIGHT~

DAY1の『矛盾の月』の例があるのでカップリングをやりうるというのは分かっていましたが、『咲くは浮世の君花火』をやらなかったのはやはり意外でした。流石に擦りすぎてると気づいたのかもしれませんが、ともあれこちらも楽しい曲ですし、個人的には聴き込みが浅かったのでモニターのコールガイドが助かりました。


34.深層マーメイド

今回のツアーは基本オリメンを大事にしていた印象で、特にこのAct-4は徹底したオリメン縛りになっていますが、その中で唯一異質なのがここ。

おそらく未来のソロがフルになるため、バランスを取って静香と翼の見せ場も作ろうという意図なのだと思います。

選曲については、3rd幕張で静香の『アライブファクター』を2人で歌っていたのを意識して、今回は翼の『深層マーメイド』をやったのではと誰かが書いているのを見てなるほどと思いました。

私の席の位置的に田所さんがよく見えたのですが、めちゃくちゃ気合いの入ったパフォーマンスが印象的でした。


35.ESPADA

正直この辺りはいつ旗掲げるのか気が気じゃなかった。結局やらなかったのは結構意外でしたが、この曲と作詞が同じ松井さんでテーマも近かったのと、オリメンに拘る中で戸田さんの登場を未披露曲に回すためという判断があったのかなと思いました。他にも割と大ネタをやってなかったりしますが、それもこういった判断があったのかなあと思いました。


36.侠気乱舞

この曲も旗とセット感がありますが、それはともかくオリメン披露は久々でしたし、なんだか今まで観たステージの中で一番良かった気がします。特に落ちサビで一人一人歌い出すところはめちゃくちゃカッコよく決まっていました(桃子の歌い出しにかなりグッときた)。


37.Shooting Stars

ここまでオリメン披露が無かったのが意外。なんならFloodingはオリメンで2回やってるので、その中の7thはテーマ的にも『Shooting Stars』でよかったのではと思っていたことを思い出しましたが、曲の披露自体はかなりされているのでバランスが難しい。ともかくこの場でフルメンバーが観られてよかった。


38.夢にかけるRainbow

この曲は個人的に全体曲の中でもかなり好きな部類なので、やってくれてニコニコでした。紬の声が印象的な曲なので、今回ちゃんと歌唱メンバーに入っていたのも嬉しい。


39.恋のLesson初級編

ここから予測可能回避不可能ゾーン。ここでMachicoさんは下手側のステージに登場しましたが、この時すでに上手側のステージには青い照明が灯っていました。

バチバチのパフォーマンスが決まっていたのと、「L・O・V・E……」コールのところで力強く「翼!」と叫ぶMachicoさんが印象的でした。


40.Precious Grain

サビで楽しく振りコピをしながら、「昔はコール入ってたのがいつの間にか無くなったなあ(たしか「MEG@TON VOICE!」での披露時に無くなって「これで良くね?」となっていた記憶)」などと、しみじみ歴史を感じました。


41.未来飛行

ちゃんとこの曲を選んだのも偉いし、フルでやったのも偉い。これまでの10年を噛み締めるような歌と、語られるその言葉に、山崎さんが未来で、ミリオンのセンターで本当に良かったなあと思いました。『素敵なキセキ』ではじまった10周年ツアーの、完璧な締めでした。


42.UNION!!

すっかりミリオンを象徴する楽曲となったこの曲。万感の想いが乗った素晴らしいステージになっていましたが、個人的には帰りの時間が気になって気が気じゃなかったです。


43.Crossing!

44.Thank You!

無念の途中離脱のため観れず。ただここまでの流れで十分最高だったのは想像できるので、そこまで悔いはないです。

 

DAY2まとめ

というわけでDAY2でした。DAY1と違ってびっくり選曲などはそこまでありませんでしたが、何よりもまず39人誰も欠けずこの日を迎えられたのが奇跡的で、要所もしっかり押さえられた完璧な千秋楽だったと思います。

その上でまだまだ聴きたい曲も出てきたりして、これで一区切りではなく、むしろ先への期待が高まるような、そんな良いライブでした。

 

10thツアー振り返り

今回のツアーを振り返ってみて、基本的に10周年にふさわしい良いライブばかりだったと思います。特にAct-4が大変良かったので、「終わりよければ」状態になっているのは間違いなくあるでしょう。

ただ惜しむらくはAct-3で、正直Act-4の『Welcome!!』も『Legend Girls!!』(あと『Dreaming!』)もAct-3でやるべきだったと思います。Act-4のために温存したんじゃないかと推測しますが、別に両方でやってもよかったと思いますし、直前にやっていようが盛り上がりは変わらなかったんじゃないでしょうか。

 

最近「2日でひとつのライブだった」みたいな感想を目にしますが、それよりも公演ごとにちゃんと独立して完成したものを見せてほしいなあということは少し思いました(Act-4に関しては、ちゃんと両日それぞれに完成された公演になっていたと思います)。

 

もちろん最初に書いた通り、ライブ全体としてはどんどん良くなってきていると思うので、この先の11thやハッチポッチ 2(正直名前は変えてほしかった)を楽しみに、今後ともミリオンライブ !を追っていきたいと思います。

 

 

改めて、とても幸福だったミリオンライブ !10周年イヤー、お疲れ様でした。

 

11周年以降もよろしくお願いします。

 

 

 

それでは今回はこの辺で。

消灯ですよ。

【ミリ10th】全曲最高だった『Act-4 MILLION THE@TER!!!!』DAY1全曲感想

2024年2月24日・25日にKアリーナ横浜で開催されたミリオンライブ!10周年ツアーの最終公演「THE IDOLM@STER MILLION LIVE!10thLIVE TOUR Act-4 MILLION THE@TER!!!!」両日現地にて鑑賞しました。

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Act-1は4周年までのグリマス期、Act-2は9周年までのミリシタ期、Act-3はアニメモチーフと、ミリオンの歴史を順番に振り返ってきた10周年ツアー。その集大成となる今回のAct-4は、初期曲から新曲まで強い曲がみっちり詰め込まれた、まさに10周年に相応しい素晴らしいライブになっていました。

 

内容が内容だけに書くことが多いので、感想も二日間に分けておきます。まずDAY1の感想から。それではどうぞ。

 

 

会場について

今回の会場である「Kアリーナ横浜」は2023年9月29日開業のかなり新しい建物で、アイマスでは同年10月の「THE IDOLM@STER SideM 8th STAGE 〜ALL H@NDS TOGETHER〜」で早速利用されています。

私ははじめて訪れたのですが、ライブ向けにかなり設備も整っていて、なかなか快適に鑑賞できました。

 

初日は一番上のスタンド席のレベル7、2日目は一番下のスタンド席のレベル3で鑑賞しましたが、まずスタンド座席の縦列が一直線ではなく席が半分ずらされており、前の人の頭と頭の間から前が見やすいよう工夫されているのに感動しました。隣との距離も比較的余裕があり、レベル7には専用の大きめのモニターが3方に並んでいて、最近ありがちだった新情報の文字が読めないみたいなこともなく、鑑賞のストレスが全くなかったです。他にもトイレに余裕があったり、売店も完備していたり、バーもあったりするなど、かなり至れり尽くせりな会場だったと思います。

 

ただ問題はその会場の外、終演後の混雑がヤバいというのが開業当初からかなり話題になっていました。実際初日は芋洗い状態のまま駅になだれ込んでいくような感じで、なかなかに大変でした。

ただ前はもっとヤバかったらしく、これでも改善はされているようです。

 

唯一、2日目は電車の都合でアンコール中に会場を出たのですが、途中アンパンマンミュージアムの横の封鎖されている道をダッシュで遠回りしてる間に封鎖が解かれていたのはかなり「マジか……」と思いました。

 

そんなこともあり日曜の開園時間はもう少し早めて欲しかったというのはありますが、その分公演時間をタイトに収めようという努力はかなり感じられましたし、演者が多く準備が大変だったりするゆえのこの開園時間というのも十分理解できます。理解できますが地方民としてはやはり日曜の開園時間は早めてくれると助かります(土曜から開園時間を早めて全体を前倒しするとかでもいいですし)。ただでさえチケット代が高騰している中、余計に一泊するのも結構キツいので。

 

 

衣装について

今回の目玉のひとつが全員分の個別衣装でしょう。これまでミリオンは基本共通衣装でたまにユニット衣装があるという感じだったので、個別衣装というのは初の試みだったと思います。

ただ正直一人一人の個性を押し出して個別衣装をよくやっているシンデレラとは違い、チーム感の強いミリオンは個人的に個別衣装とか無くてもいいかなあとも思っていたのですが、今回の個別衣装はちゃんと必然性があってとっても良かったです。

 

まず今回のライブは出演者の多さもあってかキャスト紹介のくだりがバッサリ省略されていたので、個人識別のために個別衣装がかなり役立ちました。どの衣装もなんだかんだ見覚えがあって、もし全編共通衣装だったらきっと誰が誰やら状態になってたでしょう。

 

そして今回は個別衣装が最も映えるソロステージが全員分あったのも大きかったと思います。やはり「個別衣装で歌うソロ曲」は没入感が段違いですし、どのソロステージも10周年の締めにふさわしい特別な印象になっていました。

それでいてユニット曲の時はちゃんとユニット衣装になっているので、6thライブの時に気になった衣装のチグハグ感も全くありませんでした(ユニット衣装が無いユニット曲も、衣装が6thのように半端に揃っておらず完全にバラバラな分却って気になりませんでした)。

 

最後にはもちろん共通衣装もあって、今回の衣装さんはマジでリアル美咲ちゃん状態だったと思います。本当にお疲れ様でした。素敵な衣装をありがとうございます。

 

 

DAY1全曲ひとこと感想

1.Welcome!!

ちゃんとやってくれた!周年ライブでの披露は3rd以来8年ぶりという驚異のやらなさ(周年ライブの外ではたまにやってる)。強い曲なんだからもっと軽率にやるべき。


2.Legend Girls!!

冒頭のブザー、そして『Welcome!!』と併せて、序盤から「みんなが聴きたかった曲をやってくれる」という確信が持てたので、その後も安心して楽しむことができました。まあこの曲はAct-3でやったほうがよかったと思いますが。


3.AIKANE?

メドレーのトップバッターからひとりメドレーみたいな曲!盛り上げ隊長!


4.FIND YOUR WIND!

今回の平山さんは個人衣装も相まって完全に麗花さんでした。みんなもこの曲を望んでたようで会場の盛り上がりもすごかった。


5.Only One Second

紗代子は直近の『REACH THE SKY』の強さが記憶に新しいですが、この曲も超強い。ショートバージョンでも圧倒的なパフォーマンスでした。


6.SUPER SIZE LOVE!!

10周年なら美奈子の代名詞と言っていいであろうこの曲は聴きたかった。おかわりー!もできて満足。


7.ゲキテキ!ムテキ!恋したい!

ライブの披露は4thライブぶり2回目という超レア曲。地味に好きな曲だったので得した気分になりました。


8.ショコラブル*イブ

バレンタイン月ということでやるだろうとは思っていましたが、単なる季節ものではなく、最後の言葉で10年分の「愛」を伝える歌になっていたのがとってもよかった。


9.花びらメモリー

2021年のミリシタ感謝祭以来2回目の披露で、オリメンでは初披露。恵子さんの初歌唱を生で聴けて満足。


10.スペードのQ

ちょっと期待してましたが、SEASON曲もやってくれることが確定して超テンション上がりました。特に歌詞に注目される曲ですが、生で聴いたらめちゃくちゃノれるし踊れる曲で、今回さらに評価が上がりました。


11.Border LINE→→→♡

立花子さんが美しすぎた。5thでの歌唱も超よかったのですが、今回はショートながらもさらによかった。最高。


12.オレンジの空の下

これも風花さんの代表曲と言っていいでしょう。7thでも用いられたように、一気に世界観に引き込む力のある曲で、今回もその力が遺憾無く発揮されていました。また今回のメドレーは冒頭の茜ちゃん→麗花さんだったり、ここの莉緒→風花さんなど、曲順的にニヤリとする部分が多くあったのもよかったです。


13.STEREOPHONIC ISOTONIC

メドレーみたいな曲その2。直近でやってないのがこの曲だけというのもありますが、『IMPRESSION→LOCOMOTION!』のフレーズも入っていて歴史を感じさせる曲なので10周年の締めのソロとしてぴったりだったと思います。


14.マイペース☆マイウェイ

初期ソロという王道選曲で、曲としても素直に良いので聴けて嬉しい。のり子ソロの大ネタとしては『求ム VS マイ・フューチャー』『WE ARE ONE!!』がありますが、そちらの流れもこの後の『EVERYDAY STARS!!』で回収してくれるのも嬉しい。


15.おまじない

ライブでの可奈ソロといえばこの曲というイメージだったのですが、実際は4th以来の披露で7年ぶり。懐かしさと感慨深さのあるステージでした。


16.旅立ちのコンパス

Fleurangesが出てくること自体正直意外だったのですが(これまでオリメンが揃ってないので考えれば予想できたかも)、A面の『Special Wonderful Smile』ではなかったのもさらに意外。しかし歌詞を読めば10周年で歌うならこの曲しかないと納得できます。


17.Harmony 4 You

かなり珍しい中盤の全体曲。こんな感じでカジュアルに全体曲を使うのもたまにはやっていいんじゃないかと思いました。個人的にこの曲は現地で聴くのが初だったので、コールが地味に難しくて戸惑いました。


18.CHEER UP! HEARTS UP!

ハート曲からは明らかにライブ映えするであろう『紙・心・ペン・心』が来ると思っていたのでちょっと意外でした。ただこの曲はこの曲でライブで楽しい曲だったので聴けてよかったです。


19.夢見がちBride

ちょっと期待してたもののやらないかなあと思ってたので、やってくれて超嬉しかったです。この曲はテンポが良くて聴いてて楽しい。そして「これをやるということは同じCDに収録されてるあれも…?」と後半への期待がさらに高まりました。


20.絵羽模様

これは曲としても良いのですが、何より「これまで紡いできた歴史が美しい絵を描いていく」という歌詞が10周年に相応しい。郁原さんの振袖風の衣装も相まってとても素敵なステージでした。


21.あのね、聞いてほしいことがあるんだ

3rd以来8年ぶりの披露というレア度ながら、個人的に全然そんな感じがしなかったのは無意識にわりと聴いていたからなのかも。これも改めて歌詞を読んでみるとなかなかにエモいのでおすすめ。

 

22.アニマル☆ステイション!

みんな大好き動物園。この曲を聴くとなぜか歌ってない3rdの仙台公演を思い出す。それはともかく、しっかり動物になって楽しみました。


23.たんけんぼうけん☆ハイホー隊

動物つなぎ!Act-2で出演見合わせになった稲川さんが本来歌う予定だった曲ということで、長いツアーの良さが出ていたと思います。


24.流星群

10年経っても愛美さんの生ギターはやっぱりテンションが上がる。これからもずっと弾いて欲しい。


25.昏き星、遠い月

これは絶対やると思ってた。個人的にはユニオンエアーのことを思い出してニコニコだったのですが、通常verながら台詞も詰め込まれていて、より洗練された仕上がりになっていたと思います。


26.dans l'obscurité

ゴシックつながり!近年でも割と披露されているイメージだったのですが、ライブでオリメンが揃ったのはこれが初なのが意外。照明も決まっていてかっこいいステージでした。

 

27.きまぐれユモレスク

イントロで「あ」と声が出てしまった。ソロでやるかはともかく、Act-4のどこかで『夢色トレイン』の方は披露されるかもと思っていたので完全に不意打でした。声出しがギリギリ不可だった9thとは違って、会場からも大きなどよめきが起きていました。


28.ローリング△さんかく

おそらく今回の選曲はこの曲と『デコレーション・ドリ〜ミンッ♪』の二択だったと思います。桃子担当としてはデコドリの方がエモかったのは間違いないですが、それよりもたくさんの人が楽しみにしているであろうこの曲をやることに「プロ」を感じました。成長を感じさせる選曲はAct-2の『リーチ・アップ・ステップ!』がありますし、なんであれ恵子さんが専用の「トライアングル⇒サークル」を着てステージでこの曲を歌う姿にしっかり桃子が見えたので満足です。


29.ライアー・ルージュ

10年前にリウムの色が白だの赤だの言っていたのが懐かしい。そんなどうでもいいことは置いておいて、雨宮さんのパフォーマンスが圧巻で素晴らしかったです。


30.透明なプロローグ

これも初期の頃からたくさん聴いた懐かしい楽曲。10年経っても変わらない透明感で最高だったのですが一つだけ、ゲームサイズに無いのは分かりますが、間奏に入る前のみっくの「いくよー!」だけはどうにかして入れて欲しかった。DAY1のわずかな文句......とは言わないまでも惜しかったポイント。


31.Super Lover

なんだかすごい久々に聴くと思ったら6thの神戸を観ていなかった。久々すぎてサビ前のクラップとかあったっけ?とか思ってました。それはともかく満月の夜のステージはバッチリ決まっていました。


32.矛盾の月

普通に『百花は月下に散りぬるを』をやると思っていたのでびっくりしました。まあ「百花」はここ数年でいっぱいやってるので、こういうひねりもありでしょう(8thで3人揃わなかったですし)。個人的には会場の音響の関係なのか、音源聴くとそうでもないのにシンセか何かの音が何故かスチールパンみたいに聴こえて、やたらトロピカルなアレンジに聴こえたのがすごい気になりました。


33.カワラナイモノ

最初期の曲でありながら、10年目の今こそ歌うのに相応しい楽曲。この曲を今歌えるまで積み重ねでこれたことに強い感慨を感じました。


34.カンパリーナ♡

『夢見がちBride』をやってくれたことで期待していましたが、本当に聴けて嬉しかった。ハロプロ味溢れる踊れる楽曲なのでライブで聴いたらさぞ楽しかろうと思っていた通り、超ノリノリで楽しめました。


35.クルリウタ

36.赤い世界が消える頃

ホラーつなぎ!「赤い世界」はやると思っていましたが、『クルリウタ』と連続で聴くことで、より深く世界観を感じることができました。『クルリウタ』は初オリメン歌唱ということで、生で聴けて満足。


37.DIAMOND JOKER

ダイヤでやるならこの曲だよねという感じ。もちろん盛り上がったものの、一方で「他のダイヤ曲は聴けないのか…」とこの時は少し残念に思っていました。それはそれとして「じゃあ次はあの曲では…?」と期待も高まっていました。


38.電波感傷

期待通り「DIAMOND JOKER」と連続で聴けて嬉しい。どちらも同じ早川博隆さん作曲なのでマッチングもバッチリ。DJからの流れで高まりきった熱量をさらに上げてくれました。最高。

 

39.Marionetteは眠らない

最新のカッコいい曲代表から初期のカッコいい曲代表という流れが良い。10年経っても盛り上がる安定の名曲。


40.シークレットジュエル~魅惑の金剛石~

元々大好きな曲でしたが、DJが披露されて今日はもう来ないと思っていたので、イントロが流れた時はめちゃくちゃビックリしましたし、もうテンション爆上がりでした。フルートの音色が大きい会場でまあ映える映える。周囲のコールはそこまででしたが、そんなのは気にせず全力でコールしました。最高の曲。DAY1ベスト。宮野弦士さんまたアイマスに曲書いて!


41.Shamrock Vivace

ライブで一番盛り上がるクローバー曲はやっぱりこれでしょう。というか他の曲がクセ強すぎてセトリ入れづらすぎる。ただ『産声とクラブ』は大きい会場で聴いたら絶対気持ちいいので、またいつかやってほしい。


42.EVERYDAY STARS!!

聞き慣れたブザーが鳴り響いたライブで聞けたのは嬉しい。この曲はカーテンコール(not曲)感があって、ライブの締めに聴くと満足感が一段上がる気がする。欲を言えばモニターか何かでちょっと早く次のアイドル教えて欲しかった。立ち位置で分かるみたいなのもあったっぽいですが、LEVEL7からだと分からないので、歌い出しとともに変わる照明の色で最速判断する以外なかった。最後の未来と、桃子は二択通して名前言えました(あとはオレンジの照明見えたら桃子以外無い!と思ったら千鶴さんが残ってた)。聞きどころは多いですが、個人的グッときたのはにはやはり桃子の「だって桃子...楽しいから!」。

 

43.Crossing!

すっかり定着した10周年の顔。この重要なタイミングで文句なしの楽曲ができたのは改めて良かった。


44.Rat A Tat!!!

まさかの締めラタタ。もちろんそれだけのパワーがある曲ですが、その上で翌日の予告としてもいい選曲だったと思います。

 

DAY1まとめ

「これは絶対やってくれ」という楽曲はきちんと押さえた上で、さらに「これもやってくれるの!?」という聴けると思っていなかった曲までやってくれるという、超理想的なライブでした。何よりそんなそんなライブをこの10周年ファイナルという場で観れるという幸福。

強いて惜しかったところを挙げるなら先述の『透明なプロローグ』の間奏と『EVERYDAY STARS!!』で先にアイドル教えて欲しかったことぐらいで、基本的に文句なしの素晴らしいライブでした。

 

DAY2の感想では最近セトリの組み方よくなってる件とか、ツアー全体振り返ってやっぱ曲の温存どうなの問題とか書こうと思ってますが、この調子だといつになることやら。

 

とりあえず今回はこの辺で。

 

DAY2へつづく。