【映画】『オークストリートの異変』感想(ネタバレ)

デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督『オークストリートの異変』観ました。

 

平和な住宅街が丸ごと恐竜の蔓延る世界に転移!プラット一家は危険な世界でサバイバルを強いられる!……という、いかにもジャンル映画な設定で、起こる出来事も割と型通りだったりするのですが、とにかく全体のバランスがおかしくて観てる間中ずっと安心させてくれませんでした。

 

密かに物語を書きながら自由を夢見る妻、求職中の頼りない夫、天文学に興味を持ち研究の道を志す姉、常に怯えている気弱な弟という家族構成からして、フェミニズム的な「強い女性」が状況を打開していく姿を描いていくのかと思うのですが、必ずしもそうではありません。

もちろん本作では女性陣のほうが圧倒的に勇敢で頼りになります。そして男はどうしようもない奴ばかりですが、徹底して情けないだけで「有害さ」が強調されるわけでもなく(夫が妻の執筆を責める際、執筆それ自体ではなく、家族を見捨てるような内容に怒るとことか)、いずれにしても凶暴な恐竜たちの前では些細な差です。

 

では性別に関係なく降りかかる不条理を描くのかといえば、都合よくワームホールを見つけたり、あまりにもベタすぎるタイミングでしぶとく生き残っていた愛犬が助けに来たり、ちゃんと元の世界・元の時間に戻れたりと、あからさまにご都合主義な展開が急に差し込まれたりするので一貫性がない。

 

そして一番居心地が悪いのがあの結末。

転移前の夫を助けてハッピーエンド!……でも残された「この世界」の家族は?というのがどうしても気になってしまうラストですが、モヤモヤしながらもそこまで嫌な感じはしませんでした。

ドラマとしては「ここではないどこかを夢想していた妻が、極限状況を経験し、ここにある家族の尊さを知る」という形で綺麗にまとまっていますし、妻デニースが倫理を超えて自分に都合がいい選択をする姿に痛快さを感じたのも事実。

 

ともあれこんな変な映画を巨大なスクリーン(IMAXで鑑賞)で観るという行為自体にとても贅沢を感じました。満足。

 

 

今回はこの辺で。

 

消灯ですよ。

 

 

最近読んだ本あれこれ

最近読んだ本です。

 

「キャンセル・カルチャー」パニック
-パニックを生み出す言説空間-

アドリアン・ダウプ 著,藤崎剛人 訳

「キャンセル・カルチャー」がどのような経緯で広がり、その言説の多くがいかに誤解・偏見・誇張を含んだものなのかが丁寧に解説される。ただし、そこに含まれる個別の出来事自体の問題や妥当性についてはさほど踏み込まず、これといった改善策が示されるわけではないため、「キャンセル・カルチャーという概念を信じている人間がいかに愚かか」というメッセージばかりが伝わってきた印象。

 


ポストフェミニズムの夢から醒めて

菊地夏野 著

タイトルからフェミニズムのこれまでの歩みを振り返り、再検討するような内容を想像したが、そういうことではなかった。そもそも現在「ポストフェミニズム」なる状況にある(あった?)という前提知識が無かったため戸惑ったが、現在のフェミニズムが何を問題としているのかはなんとなく分かった。

 


同性愛について科学は何を語ってきたのか
-哲学的視点からたどる-

ピーテル・R・アドリアンス、アンドレアス・デ・ブロック 著,宇丹貴代実 訳

タイトルの通り、同性愛について科学は何を語ってきたのか、その歴史を様々な観点から振り返っている。遺伝子、ホルモン、環境など、同性愛には多くの要因が絡んでおり、その原因を特定するのは難しいということが明晰に示されている。それだけでなく、社会の価値観が科学に与える影響、科学が社会に与える影響まで考察されており、とても勉強になった。

 

 

暇と退屈の倫理学
目的への抵抗
スピノザ――読む人の肖像
國分 功一郎 著

全部Audible版で聴いた。「暇と退屈の倫理学」が自分の興味にドンピシャかつたいへん面白かったため、その他の著作も流れで聴いている。音で聴くことで入ってきやすい部分も大いにあるが、一部の哲学用語に関しては字で見た方が分かりやすいかも。これまで哲学に関してはどうにも興味が持てなかったが、徐々に面白さが分かってきた。

 

 

読書は現実逃避!

 

消灯だよ〜

最近観たものあれこれ

映画

『ヌーヴェルヴァーグ』

リチャード・リンクレイター監督作品。1950年代後半にフランス映画界で起こった映画運動「新しい波(ヌーヴェルヴァーグ)」の代表作であるジャン=リュック・ゴダール監督作『勝手にしやがれ』の舞台裏を描く。

歴史の勉強のつもりで観に行ったが、若者たちが様々手法を試しながら楽しそうに映画を撮っているその場に居合わせたようなリアルさで、勉強を忘れて素直に楽しめた。その後に観た『勝手にしやがれ』も、「古典」ではなく「知り合いの作った映画」のように親近感を持って観ることができて、とても良い映画体験だった。

 

『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』

MCU版スパイダーマン第4作。監督は前3作のジョン・ワッツから代わって デスティン・ダニエル・クレットン。

MCUのトムホ版スパイダーマンは、それ以前のスパイダーマンと比べて幼、明るいイメージが魅力ではありましたが、今回は孤独で、より辛い境遇の「いつものピーター・パーカー」を見れたのが嬉しい。少し長いがドラマも濃厚で、ニューヨークを飛び回るアクションも楽しく、大きなサプライズもあり非常に満足。

 

 

展覧会

描く人、安彦良和

山形県・天童市美術館で開催中の安彦良和の回顧展。

「ヤマト」や「ガンダム」など、有名作品の原画や設定画から最新の漫画原稿、果ては子供の頃の学習ノートまで、安彦氏の美しい絵がたくさん見れて眼福。企画書やスタッフへの指示を記した資料なども展示されており、様々なことがらをよく考えて絵を描いてきたこともよく分かった。

 

水木しげるの妖怪 百鬼夜行展
~お化けたちはこうして生まれた~

山形美術館で開催中。原画のみならず水木しげるの蔵書なども展示して、水木サンがどのように「妖怪」というものを扱ってきたのかが多角的に示される。

天童市美術館で開催を知り、滑り込みかつ駆け足の鑑賞だったが良かった。水木サンが妖怪を発明したのではなく、既にある妖怪という概念を誰でも分かりやすい形で表現したという功績が自然と理解できる展示になっていた。弟子の荒俣宏や京極夏彦のコメントもあり満足。

余談だが、常設展にマネやモネと並んでユトリロの絵が展示されており、『SnowWhite』好きとしては感慨深いものがあった。

 

Youtube

小倉知巳のイタリアンプロ養成講座

大量のスパゲッティを買っていろいろレシピを漁っていた中で、このチャンネルが一番良かった。「イタリア料理はムラの美学」を合言葉に、ざっくりとしたレシピでぶっきらぼうに教える姿勢が、実際にプロに師事しているようで楽しい。山羊チーズのペコリーノ・ロマーノを買ったのもあり、カチョエペペ、アマトリチャーナ、カルボナーラ(レシピでは不使用)、ローマ風カチャトーラなどローマ料理中心に作ってみたが、どれも美味しかった。

 

 

ネタが無いときはまとめ記事に限る!

 

消灯だよ〜

 

【IWSF】「IDOL WORLD SUPER FESTIVAL 2026」から考える理想の合同ライブ

2026年7月24日・25日・26日に東京・京王アリーナTOKYOで開催された『THE IDOLM@STER 20th Anniversary MORE RE@LITY LIVE
IDOL WORLD SUPER FESTIVAL 2026』3日間とも配信で観ました。

 

MR(xR)初の合同ライブとなりますが、MRライブも合同ライブも近年見慣れてきており、開催発表の時点で20周年イヤーの締めとしての特別感はあまり感じませんでした。

 

実際、想像を超えることはそこまで起こらなかったものの、見たいものをとても良い形で見せてくれて、MOIWも含め近年の合同ライブの中でも一番満足度が高かったです。

 

そもそも合同ライブ(MOIW)に関しては、初合同+初SSAだった2014、10周年+初ドームだった2015、初東京ドームだった2023、20周年の2025と、回数を重ねるごとに特別感が薄れてきたのは否めません。

 

またブランドも増え、参加キャストの数も膨大になってきたことで、曲・アイドル・キャストとかなりの前提知識が必要となっています。

今歌っているのがどんな曲で、今誰が歌っていて(人数が多いと誰が参加してるのかもすぐには分からない)、なぜこのメンバーなのかなど、越境コラボの文脈を理解するのも大変。

そして2023以降のセトリはブランドごとの全体曲+越境コラボしかなくなり、ライブ全体の起伏が減って、演出も単調になりがちです。

 

その点今回のIWSFは、上記の問題がかなり解消されており、とても見やすく、シンプルに楽しめる理想の合同ライブになっていました。

 

まず出演アイドルの数が絞られているのが良い。

近年のMOIWは人数が多く、せっかくの越境コラボでも各アイドルのパフォーマンスをじっくり楽しむ余裕がありませんが、今回人数を絞ったことで、アイドルそれぞれの魅力が十分に伝わってきたと思います。

 

セトリや演出も気を衒ってなくて、MOIWのような変に外した選曲はなく、期待する曲は全て抑えた上で以外な曲もあり、無駄な演出もつけずにパフォーマンスをじっくり見せてくれたのが嬉しい。

それでいてAS組をはじめ、ダンサーとして他アイドルが登場する実質ソロが所々入ってきたり、コーラスのみのコラボ、賑やかしのみのコラボなど見せ方にも起伏があって終始飽きることがなかったです。

MOIWでよく見られた1番オリメン歌唱→2番でゲスト登場みたいな構成は少なく、今回は基本1番からゲスト混成という形が多かったのですが、その方が明らかに各アイドルの見せ場を作るチャンスが多いし、合同ライブは基本今回のような形の方が良いと思いました。

 

各回ごとに明確なコンセプトを設けていたのも面白くて、生身のダンサーとのコラボ、生バンドとのコラボ、生MCと、これまでのMRライブで積み重ねてきた施策の集大成となっており、ともすれば「配信でよくね?」となってしまいがちなMRライブで、どうにか現地に参加する価値を高めようとする試行錯誤が感じられます。

またこれらの演出は、言ってしまえば「ただの映像」をリアルに見せるための工夫でもあるわけですが、MCはともかく、ダンサーやバンドに関しては配信で見ていたからかそこまで噛み合っていた印象はなく、もっとアイドルと相互に干渉し合っている(ように見える)演出があればよりリアリティを感じられたのではと思いました。

あと細かいところで初日はヘッドセット、2日目はハンドマイク+スタンドマイク、3日目はハンドマイクを持って歌っており、この辺りはこれまでのMRライブにおける「リアルに見せる」演出の積み重ねを感じました。

 

というわけでMRライブの最新型としても、理想の合同ライブとしても非常に楽しいイベントでした。MOIWも今回のような形でやってくれるならまた行きたいかも。

 

最後にそれぞれの回で印象的だった楽曲を一曲選んで書いておこうと思います。

 

DAY1 -YAKUDOU-

『OH MY GOD』星井美希、緋田美琴

シーズの楽曲を歌う美希を見たいと何年も思っていたので、ようやく願いが叶いました。

トラップ風のフロウは当然のように乗りこなし、その上このクールな楽曲にあえて可愛さを加え、美希の世界に染め上げる様は想像を超えて圧巻でした。美希、やはり天才。

 

DAY2 -ZESSYOU-

『メサイア』望月聖、如月千早、詩花

椎名豪三銃士を連れてきたよ。

絡み合うハーモニーやコーラスがとても心地よく、この日一番歌の良さを感じました。

 

DAY3 -KYOUMEI-

『素敵なキセキ』春日未来、奥空心白

スタマス発売からどれだけ経ってるんだ!もっと早くやらんかい!

『GR@TITUDE』も含め、この日は全体的にMOIW2023の頃に期待していた「こんな合同ライブが見たい」というものが全て詰まっていました。

それから話はずれますが、この日は松田亜利沙がいい仕事をしすぎていて、『アイドルは、かく語りき』からの流れは爆笑しながら見ていました。現地は楽しかっただろうな。

 

 

3日目お疲れ様でした。

 

そしてアイマス21周年おめでとうございます。

 

 

 

それでは今回はこの辺で。

消灯ですよ。

 

 

 

 

2026年上半期よかったアイマス楽曲まとめ

2026年上半期にリリースされたアイマス楽曲の中で良かった曲のまとめ。

 

 

765PRO ALLSTARS

『輝夜』

作詞:森由里子 作曲:園田健太郎 編曲:長谷川智樹

歌:如月千早

 

上半期はとにかくこの『輝夜』が良かった。森先生の素晴らしい歌詞については下記の記事にて詳しく書いているので割愛するが、端的に言って傑作だと思う。

 下半期は亜美真美・あずさ律子のツインライブのために書かれた新曲『北極星をズラしちゃえ!』(作詞・作曲:星部ショウ 編曲:明石裕太)、『Binary Star』(作詞・作曲・編曲:パソコン音楽クラブ)の2曲が試聴の時点から案の定良かったのでとても楽しみ。

 

シンデレラガールズ

『シンデレラNo.1 安部菜々/神崎蘭子/イヴ・サンタクロース ver.』

作詞:八城雄太 作曲・編曲:ヒゲドライバー
歌:安部菜々、神崎蘭子、イヴ・サンタクロース

 

『ROSE ~禁じられた愛~』

作詞:夕野ヨシミ (IOSYS) 作曲・編曲:ARM (IOSYS)
歌:桐生つかさ、木村夏樹、白雪千夜

 

シンデレラはなんと上半期にリリースされたのがこの2曲のみ。昨年デレステがサービス終了し、今年になってからしばらくリリースも全くなくて心配だったが、総選挙の実施も発表され、新しい体制も徐々に動き始めたようなので今後に期待。

 

ミリオンライブ!

『Especially Angel♡』

作詞:新谷風太 作曲・編曲:岸田勇気

歌:豊川 風花、双海 真美、北上 麗花、島原 エレナ、馬場 このみ、三浦 あずさ

 

『Fairy Daysは絶え間ない』

作詞:結城アイラ 作曲・編曲:高橋諒

歌:ロコ、四条 貴音、如月 千早、二階堂 千鶴、最上 静香

 

『Prima Princess!!』

作詞・作曲・編曲:三好啓太

歌:松田 亜利沙、エミリー、高坂 海美、佐竹 美奈子、田中 琴葉

 

『飛べない僕は泳いだ』

作詞・作曲・編曲:青柳 諒(Arte Refact)

歌:宮尾美也、天空橋朋花、徳川まつり

 

『SPARKERS』

作詞・作曲:熊谷和海 編曲:熊谷和海、供養P
歌:高山紗代子

 

ミリオンはまず新属性曲の「正統派アップデート版」といった趣が良い感じ。13thの新曲は千鶴さんも良かったが、紗代子の過剰な熱さが応援歌として上手く昇華された『SPARKERS』はライブで聴いて感動した。

しかし何より素晴らしかったのは、ミリアニOVAの挿入歌『飛べない僕は泳いだ』。物語との相乗効果も大いにあるだろうが、最近のミリオン楽曲の中でも出色の出来だと思う。

 

SideM

『LET'S HAVE!』

作詞:結城アイラ 作曲:樽井朋弥 編曲:EFFY

歌:神楽麗、渡辺みのり、アスラン=ベルゼビュートⅡ世、秋月涼

 

『YELLOW!』

作詞:Safari Natsukawa 作曲・編曲:渡辺和紀

歌:木村 龍、清澄九郎、岡村直央、舞田 類

 

『CROWN US KING!』

作詞:真崎エリカ 作曲・編曲:光増ハジメ

歌:DRAMATIC STARS、FRAME、彩、High×Joker、神速一魂、THE 虎牙道、F-LAGS、Legenders

 

SideMは今年もリリース量・クオリティ共に安定。昨年から展開している童話をテーマにした「TRANSCENDENT T@LES」シリーズの中から、伝統を意識させる和ロックを背景に歌われるのが対話を重視した現代的な歌詞というギャップに意表をつかれる『LET'S HAVE!』、ミュージカルをモチーフとした曲としてはアイマス内でも最も成功してるんじゃないかと思う『YELLOW!』が良かった。

自己紹介(正確には他己紹介)ソングでは既に『Take a StuMp!』があるが、今回の『CROWN US KING!』はユニット毎に曲調が変わるという、再び自己紹介ソングが作られたのも納得の凝りよう。これ一曲聴くだけで半分のユニットの概要と方向性が楽しく分かるという、決定版のような楽曲になっていたと思う。残りのユニットverも聴きたい。

 

シャイニーカラーズ

『感謝のコントレイル』

作詞:RUCCA、BlasTrain(Rap詞) 作曲:菊池博人(KEYTONE)、小池竜暉、Hayato Yamamoto、YUUKI SANO 編曲:菊池博人(KEYTONE)  

歌:シャイニーカラーズ

 

 

『Ring Ring Ringの魔法』

作詞:前田甘露 作曲・編曲:ペロ、YUUforYOU

『街角メランコリー』

作詞:内田ましろ 作曲・編曲:渡辺 尚

歌:ザ・ふたりトラベラー

 

シャイニーカラーズもSideMに続いて他己紹介ソングが誕生。この形式はライブとかでお休みのアイドルの名前も呼べたりするので結構良いなと思った。

今年はシャッフルユニット展開が楽しく新鮮で、謎に昭和感を前面に押し出した「ザ・ふたりトラベラー」が特に面白かった。あと改めて思ったのが、シャニ楽曲は基本的に真面目で、ふざけた曲が少ないのが個人的にイマイチハマらない原因なのかも。

 

学園アイドルマスター

『みちなるひろがる』

作詞・作曲・編曲:いよわ

歌:ゆめぱしー(倉本千奈 / 篠澤広)

 

『ときめきエモーション』

作詞・作曲・編曲:神山羊

歌:REVERSI(紫雲清夏/葛城リーリヤ)

 

『VEIL』

作詞:GUCCHO 作曲・編曲:Dubscribe、GUCCHO  

歌:秦谷美鈴

 

『ガラクタロード』

作詞:Rou-hou 作曲:佐藤貴文 編曲:鈴木俊介、大澤めい(Bandai Namco Studios Inc.)  

歌:初星学園

 

『三分半の創世』

作詞・作曲・編曲:Shuntaro

歌:雨夜燕 

 

学マスは今年も絶好調。大量のリリースの中でソロもそろそろマンネリか?となっていたところで、ユニット曲で新鮮さを出してくるなど展開が上手い。

ソロで言えばドロップの凶悪さで言えばアイマス内でも随一の『VEIL』、歌が上手すぎると思ったら中の人が東京藝術大学音楽学部声楽科卒の超エリートでビビった『三分半の創世』などが良かった。

『ガラクタロード』は曲がファンキーでカッコいい。歌詞は訳わかんないけど。

 

vα-liv

『思い出の花束、2度目の恋。』

作詞・作曲:早川博隆、奈須野新平 編曲:奈須野新平

歌:レトラ

 

 

『はらぺこ泣き虫』

作詞:佐藤貴文 作曲・編曲:佐藤貴文、Kijibato  

歌:灯里愛夏

 

『Nova Chro』

作詞:作曲:編曲:AJURIKA

歌:上水流宇宙

 

 

『ソライロ!』

作詞:ミズノゲンキ 作曲・編曲:馬渕直純  

歌:876PRO ALLSTARS

 

vα-livとしては、15年以上ぶりのレコーディングとなる愛・絵里・涼を迎えた876プロとしての新曲『ソライロ!』がやはり大きい。

各々のソロも良くて、特に『はらぺこ泣き虫』の「あおむし」モチーフで展開していく歌詞が面白くて好き。

 

 

 

下半期はやはり『北極星をズラしちゃえ!』と『Binary Star』が本命。というか既に視聴を鬼リピ中。あとはシンデレラも新曲がちょこちょこ出始めてるっぽいので、その辺りに期待。

 

 

 

それでは今回はこの辺で。

消灯ですよ。

 

 

【映画】『黒牢城』感想

黒沢清監督最新作『黒牢城』観ました。

 

歴史についてはからっきしなので、史実は全く知らなかったのですが、たいへん面白かったです。

 

様々な人々が行き交う城下町、男がやぐらにのぼり、舞台となる有岡城が見えたところでタイトルが出るという、冒頭の一連のシーンから一気に引き込まれます。

丁寧に作り込まれた時代劇的世界に対し、超現実的な黒沢清的な世界がどのように化学反応を起こすか楽しみでしたが、『蛇の道』を思わせる広い牢獄と鎖による拘束、半透明のカーテン、断絶された夫婦といった黒沢清的としか言いようのない、見応えのある演出の数々に長い上映時間も全く気にならず、終始笑顔で楽しむことができました。

 

ミステリーとしての謎解きもそこそこに、荒木村重という人間の謎に焦点を置いた構成も的確で、『羊たちの沈黙』のレクター博士を思わせる黒田官兵衛とのやりとりも緊張感があり、とてもスリリングでした。

 

そして最も意外だったのがラスト。黒沢清作品では「世界は壊れてしまい、もう戻せない」という結末が多いイメージだったので、本作のさっぱりとした、前向きで爽やかなラストには(史実においてはこの後惨劇が起こるとはいえ)意表をつかれました。

戦争がもたらす苦しみをそれが全く無縁ではない現在に描くにあたり、このラストは非常に相応しいと思いますし、観終わって不思議と勇気が出ました。

 

黒沢清作品はいつも映画を観ることの楽しさを感じさせてくれますが、今回も全く期待を裏切らず、そのうえ時代劇というジャンルとの相乗効果も十二分に感じられ、非常に楽しい作品でした。

 

 

それでは今回はこの辺で。

消灯ですよ。

 

【映画】人間ってそんな良いものか?『急に具合が悪くなる』感想

『急に具合が悪くなる』観ました。

 

資本主義の呪縛から逃れ、互いをケアし、境界を無くした社会にこそ救いが、人間らしい生き方がある……本当にそうでしょうか?

 

資本主義が現代の問題の根本のように語られますが、その資本主義を作り出したのは結局のところ人間です。

「人間らしくあること」の重要性を説きつつ、人間の生み出した資本主義を否定するというのは、人間というものを理想化する一方、人間が持つ問題点から目を背けているだけなのではないかと思います。

 

互いをケアし合い、境界を無くして触れ合うさまがひとつの希望として示されますが、「それぞれの人生がある……でも同じ人間だよね」と「個人」を「人間」に還元していくのは、個人の主体というものを無視しているようで、違和感が拭えなかったです。

また本作で語られるユマニチュードそのものの有効性や合理性については(結局このケアを受けられるのもある程度裕福な人間だろうと思いつつ)納得するものはありましたが、「人間として扱う」と言いながら、入浴介助の様子を大勢で見たり、初対面の部外者に介助を手伝わせたりといった作中の描かれ方には疑問もありました。

そして「人間として扱う」と言った際に、「これこそが人間である」という一種の型に当てはめているようにも見えて、このような考え方には一転して「非人間的」な存在の排除に繋がる危うさもあるように感じました。

 

とはいえこれらの矛盾や問題についても作中に織り込まれており、本作における希望が唯一の正解ではなく、批判の余地があることも示されています。

しかし結局批判者も「理想」の中に取り込まれ、「理想」に共感できない者は去り、智樹の乱入や鳥の糞など、面白がれる程度のハプニングのみがある世界は少々歪な印象でした。

 

このように描かれる主題に疑問はありつつも、誠実であろうとする姿勢は感じましたし、印象的で良いシーンも多数あり、好きな長塚京三さんが出ていて得した気分になったりと、良い映画だったとは思います。ただ現実が厳しい中、フィクションの中でまで厳しい現実を長時間にわたって見せられるのは疲れる。

 

 

今回はこの辺で。

消灯ですよ。