若き日のルパン三世を描いた、小池健監督によるスピンオフシリーズ『LUPIN THE IIIRD』をAmazonオーディブル用に再構成した「オーディオアニメ」全3作『次元大介の墓標』『血煙の石川五ェ門』『峰不二子の嘘』を聴きました。
この小池健監督による『LUPIN THE IIIRD』シリーズは個人的に大好きで、毎回楽しみに観ています。
ただ今回のAudible版は音声のみになったとはいえ、基本的にはアニメ版と同じだろうと手が伸びなかったのですが、軽い気持ちで聴き始めたところ、結構構成が変わっていて思いの外楽しめました。
というわけで、各タイトルごとに軽く感想を書いていこうと思います。
ちなみにオリジナルキャストはルパン一味と銭形だけで、それ以外の登場人物やナレーションは『次元大介の墓標』『血煙の石川五ェ門』では白熊寛嗣さん、『峰不二子の嘘』では小松由佳さんが担当しています。どちらの方もバッチリ世界観に没入できる良い語りでした。
『次元大介の墓標』
このAudible版におけるアニメ版からの一番の変化は、次元の声優が先代の小林清志さんから2代目の大塚明夫さんに変わったことでしょう。
特にこの『次元大介の墓標』のアニメ版はタイトルロールでもあり、小林清志さんの超渋い演技が存分に堪能できる一本ということで、もちろん大塚明夫さんも素晴らしいですが、元と比ベざるを得ない中で、どうしてもあっさりした印象は拭えませんでした。
とはいえ再構成されたシナリオは、アニメ版では尺のためにカットされたルパンが暗証番号を聞きだす件が入っていたり、「これ位置関係どうなってるんだ?」というクライマックスの狙撃合戦も飲み込みやすいよう修正されていたりと、元のアニメ版を何度も観てるファンとしてもニヤリとできる脚色も多く、新鮮に楽しめました。
『血煙の石川五ェ門』
『血煙』ではキャラクターが大胆に整理された代わりに、より分かりやすいキャラ付けがされていました。
今回の敵役であるホークはアニメ版だとほとんど喋らないため、Audible版では割と喋るようになっているほか「嫌いじゃないぞ」が口癖になっているのが面白かったです。
五ェ門の雇い主である鉄竜会も割と変わっていて、稲庭四天王は西郷兄弟だけになっているうえに武器がマシンガンになっていたり、稲庭Jr.はアニメ版と比べるとかなり情けない人物造形になってて味わい深かったです。
『峰不二子の嘘』
このタイトルはアニメ版からの変化が少なく、鞭使いのカーラがいない以外はかなりアニメ通りな印象でした。
ナレーションの小松由佳さんのジーンがかなりアニメ版に近く、そのおかげでスムーズに入り込めたのも大きかったと思います。
というわけで久々の『LUPIN THE IIIRD』を楽しめてよかった!のですが、やっぱり新作が観たいので、次は銭形なのかルパンで締めなのか分かりませんが、首を長くして待っております。
それでは今回はこの辺で。
消灯ですよ。