【スタマス】制作発表で気になったコトについて考える

アイドルマスター家庭用ゲームの新作『アイドルマスター スターリットシーズン(スタマス)』
の制作が発表されました。



まだまだ明かされていない情報も多いので、確かなことは分かりませんが、概ね「アイマス2の続きと思われる世界観で、ブランドの垣根を超えたユニットを編成し、目標となる大型ライブを目指してプロデュースしていく」といった形のゲームになりそうです。

今回の制作発表ではどうしてもボンヤリしたところが多く、なんとも言えない感じになってしまっていましたが、思えばこれまでも家庭用ゲームに関してはいつもこんな感じだったかもしれません。

そのボンヤリした諸々のディテールを巡って、ユーザー側では様々な意見が交わされていたので、それらの話題を整理しつつ、本作がどのようなゲームなのか考えてみたいと思います。


①765AS以外の面子の選考理由は?

今回発表されたプレイアブルとなるであろうキャラクター構成は765AS全員、シンデレラ、ミリオン、シャイニーカラーズから各5名ずつ(うち2名ずつは後日発表)計28人ということでした。

これについて、765ASに関してはまあ納得として、一方他ブランドの人数に関しては、正直寂しい印象が拭えません。短絡的に考えれば、765AS同様各13人はいても良い気がします。

しかし、今作もこれまでの家庭用と同じく各アイドルそれぞれにシナリオが用意されていて、全曲完全に歌い分けができると考えれば、単純にAS13人から2倍以上の物量になるわけですから、かなり頑張ったことになるでしょう。

もちろん、シナリオは流石にあるとしても、(完全な)歌い分けは無いという可能性もありますが、それならスマホアプリと変わりません。となれば家庭用としてわざわざ作る意義もかなり薄くなりますから、流石に過去の家庭用並の曲数とは行かないまでも、そこは徹底して欲しいところです。キャラが増えればバリエーションも作れますしね。(これで無かったらズッコケますが)

なのでAS以外の人数に関しては、ASの2倍程度の物量かつ、それぞれのブランドだけでユニットを組める最低人数を加味して、各5名ずつの計15名となったのではないでしょうか。


また、人選については全員出揃った訳ではないのでなんとも言えませんが、全体のバランス、特にビジュアルのバランスが特に重要だったのではと思います。

こういうキャラクターがたくさん出てくる作品においては、なるべくキャラクターの見た目や個性はバラけさせるのが自然で(似たようなキャラが何人もいても意味がないので)、特にステージシーンがキモのアイマスにおいては尚更です。



その視点で見てみると、まずシンデレラの中心たるニュージェネなどは、髪色や体型の差異が少なく、未央は春香に、凛は響あたりとシルエットが近かったりして、ビジュアル的な広がりは持たせ難いように感じます。卯月だけ出すとかもできそうですが、揃わないならいっそニュージェネごと入れないという考えかもしれません。



なぜなら、中心に拘らなければシンデレラにはいくらでも強いビジュアルのキャラがいるわけで、今回の「スタマス」で登場する美嘉(ピンク髪)、蘭子(銀髪ツインテ)、杏(スーパーちびっ子金おさげ)はビジュアルの個性はもちろん、初期から活躍していて知名度もあるということで、その意味ではこの人選も妥当かと思われます。




一方のミリオンはいわゆる中心の「信号機」から選ばれているわけですが、こちらは未来(外ハネ茶ボブサイドテール)、静香(黒髪パッツンロング)、翼(金ショート)とビジュアルもバラバラで、知名度的にも申し分ありません。あえて忌避することもないでしょう。

あと、劇場版に出た面子はそちらの物語がかえってノイズになりそうなので選ばれないんじゃないかなあという気がします。

また、蘭子、杏、未来、静香、翼はOFAでモデルが既に作られているという点も大きいです。


でもってシャイニーカラーズは、中心となるイルミネーションスターズのビジュアルはそれぞれ差異があるものの、かといって強い特徴があるわけでもないので(そもそも中心となるキャラはそのようにデザインされてるのでしょう)、先のシンデレラやミリオンとのバランスも加味しつつ、より分かりやすい特徴を持ったキャラを選んだと思われます。



まず、果穂は意外と長身かつ赤茶外ハネセミロングでシルエットが分かりやすい。咲耶は髪型が響とかぶるものの、超長身(175)かつナイスバディで、意外と小さい響と並べばそこまで似た印象もなさそうです。唯一甜花はそこまでビジュアルに特徴があるわけでもなく、シルエットも伊織と近いですが(一応デコで差異化はされる)、ここはダウナーなキャラ性が求められた結果かもしれません。


現状発表されているキャラクターを見てみると、意外と良い感じに印象がバラけていて、声質や性格を含めても、なんだかんだバランスの良い人選なのではないでしょうか。これらの視点から残りの面子を予想するのも楽しいかもしれません。


②SideMはどうした?

おそらく今回の「スタマス」発表において、最も話題になったのこの件でしょう。

アイマス15周年のお祭り感を多分に含んだ今作において、(現状)SideMが登場しないということをもって「のけもの」にされたように感じるのは分かる気がします。

一方、アイマスのようなキャラクターがステージで歌って踊ることがキモの作品において、男女混合にすることによって生まれるハードルは尋常じゃありません。

まず、割と広く言われていた「3Dモデル作るの大変」問題について、そもそも基礎となるJupiterはアイマス2から3Dモデルで初登場したわけで、ここのハードルはいうほど高くはない気がします。

それよりも重要なのはステージにおける諸々で、歌は男女どちらも歌える歌詞やキーのものに限られますし、ダンスは女性のモーションを使い回すわけには行かず、フォーメーションだって男性がどの立ち位置に何人いるかで全く変わるため途方もないパターンを用意する必要があり、衣装も男女で合わせて違和感のないものに限られます。

そして、ストーリーにおいても男女でチームを組んで一緒に頑張るとなれば、色恋沙汰が起こらないほうがおかしいですし、そうなれば作品の根本からジャンルが変わってしまって、アイドルプロデュースというより、恋愛リアリティーショーの様相を呈してきます。

そして何より、仮にこの数々の難題を完璧にクリアしたとして、各ブランドのPやファンの中でそれを望んでいる人がどれだけいるのかという問題があります。

そもそもSideMのPはあくまで「アイマスのお祭りの中にSideMも普通に一緒にいる」ことこそが望みのはずで、別に「SideMのアイドルが他ブランドの女性アイドルと歌って踊るのを見たい」わけではないでしょう。

実際のところ各キャンペーンやバンナムフェスでの活躍などを見る限り、現状SideMがアイマス内において不遇であるような印象はないのですが、そこは外野からは分からない様々な機微があるのだろうと思います。


また仮に今回のスタマスが全ブランド参加の当たり障りのないパーティーゲームや、各ブランド独立した中でそれぞれプロデュースして、たまに合同のライブシーンが流れる程度のゲームであれば、文句は少なかったかもしれません。

しかし、個人的にはそれらが「全員集合のお祭り」以上の価値を生むとは思えませんし、諸々手が回りきっていないところがありながらも、アイマスの原点たるアイドルプロデュースゲームで新しいことをやろうとしている(であろう)今作を応援したい気持ちが強いです。

さしあたっては、合同プロミなどで諸々のわだかまりが解けて、プロデュースゲームは無理としてもなんらかの作品で皆一緒にやる機会ができればいいかなと思います(アニメとかが一番現実的かなあ)。

......というか、876出せば長年気を揉んでいる876勢も涼でSideMもカバーできたのでは?


③よく家庭用新作出たね

前々作『プラチナスターズ』の評判がすこぶる悪く、前作『ステラステージ』の売り上げが伸びなかったことから、こんなことも囁かれていました。

しかし、評価はともかく『プラチナスターズ』はそれなりに売れていますし、『ステラステージ』は『プラチナスターズ』のブラッシュアップ版といった様相で、発売のタイミング含め正直そこまでリソースは割いてないような感じがするので、実際のところ言うほどのダメージは無かったんじゃないかという気はします。

そもそもコンテンツ全体としては堅調な中、ミリシタでは家庭用で築いた財産をフル活用したりもしてるので、1作の失敗を持って10年以上続けてきたラインを切り捨てると言うのも、それこそ現実的ではないのかなあと思います。

...といった具合に、ビジネス的な裏事情を勘ぐってみたところで、答えは出ないですし、どこまでもボンヤリするばかりでなんの意味もありません。我々はあくまでユーザーなんですから、実際に出てきた作品についてやいのやいの言う方がまだ建設的で楽しいんじゃないでしょうか。(まあ下種の勘繰りも楽しいのでたまにはしてしまいますが)


とは言え、765ASが中心にいる形で家庭用の新作が出たのは、非常に喜ばしいことですし、運営のこさえたユニットをわんこそば状態で消費するだけのアプリゲームが主流の現状には個人的にかなり辟易していたので、ちゃんと自分でアイドルを「プロデュース」できるというのは何よりも嬉しいことです。

そして、アイマスはゲームそのもの以上に、それに伴うCDシリーズやライブなどの様々なメディアミックス展開が楽しいものなので、スタマス自体ももちろん、そこから派生した様々な展開についても楽しみにしたいと思います。



それではこの辺で。


消灯ですよ。