【ミリオン10th】素材の味だけで100万点だったはずの「Act-3 R@ISE THE DREAM!!!」感想

2023年11月4日、5日に福岡の西日本総合展示場新館で開催された「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-3 R@ISE THE DREAM!!!」、両日配信で鑑賞しました。

 

4月から始まったミリオンライブ!10周年を記念したツアーの第3段。今回は現在放送中のTVアニメをモチーフとした公演となっています。

このライブの時点では第5話まで放送されている状態ですが、事前に映画館での先行上映があり、そこで全話既に公開されているので、今回のライブもまだTV未放送の後半部分の展開をガッツリ入れ込んだ展開になっていました。なので以下の感想でもアニメのネタバレを含みますのであしからず。↓アニメの感想

 

今回は何より現在放送中のTVアニメが素晴らしすぎて、それをモチーフとしたライブというだけでほぼ成功が約束された公演と言って過言ではなかったと思います。

公演タイトルの「R@ISE THE DREAM!!!」もアニメのクライマックスにおける劇場こけら落とし公演のタイトルと揃えられていて、「あのライブが生で観れる!」と否が応でも期待が高まる状態でした。

実際アニメの楽曲は概ね抑えられていて(出演者がおらず披露されないチームの楽曲もありましたが)、基本そこは文句なしに最高でした。期待したものが期待以上の形で観られて、そこだけで十分大満足なライブだったと言えるでしょう。

 

『Rat A Tat!!!』や2日目トップバッターの『ロケットスター☆』は言わずもがな、まず最高だったのが初日のみらしず『ToP!!!!!!!!!!!!!』。やるとは思っていましたが、1話の公園シーン再現は意外ながらも完璧でした。劇中ではまだ参加してなかったかおつむが『We Have A Dream』にいるのなんかも良かったですし、各チームの新曲ももちろん最高でした。

『チョー↑元気Show☆アイドルch@ng!』や『フェスタ・イルミネーション』のカバーもそれぞれのアイドルの味が出ていて面白かったです。今回は後述のASカバーも含めてカバー曲がかなり良くて、そこは10年の積み重ねを感じました。

 

 

そこまでは予想通りでしたが、ミリアニもうっすら世界観を引き継いでいる2011年のアニメ『アイドルマスターアニマス)』の楽曲もガッツリ披露されるというのが今回のびっくりポイント。これはかなりびっくりしましたが、アニメの展開的にありうるものでしたし、何よりパフォーマンスがちゃんと良かったので、基本的にはかなり楽しめました。

特に3rdあたりの頃のASカバーは10th終わりでAS展開の空白時期だったのもあって、個人的に「本家で聴きたいなあ」とか思っちゃってたんですが、今回は去年の単独ライブ含め色々稼働もありますし、何より今回はカバー曲全部各アイドルの色がバッチリ出ていて非常に聴きごたえがありました。 

特に素晴らしかったのは2日目の『Next Life』。コーラスをソロパートにしちゃうのも大胆ですが、そこで全員きっちり見せきっているのが凄い。例の千手観音含めダンスも決まっていましたし、ステージの完成度でいえば全体的に良いステージの多かった今回の中でもベストだったと思います。

 

 

要素要素を取り出せばかなり最高なライブだったと思います。しかし一方で「それはどうなの?」と思ってしまう所も結構あって、諸々のバランス的にも正直モヤモヤは残るライブでした。

 

ハッキリ言って今回はアニメで流れた曲を流れた順にやってくれれば、それだけで100万点は約束されていたでしょうし、実際多くの人が期待していたのがそういうライブだったのではないでしょうか。

もちろんそれだけでは曲が足りないのでアニマスの曲を持ってこようというのは理解できます。ですが今回の選曲は変に細かいところから拾ってきていて、正直アニマスから持ってきた意義は特に感じませんでした。

その一方『Legend Girls!!』とか『セブンカウント』とか『Welcome!!』とか『追憶のサンドグラス』とか『Snow White』とか『Unknown Boxの開き方』とか『Dreaming!』とか『オレンジノキオク』とかミリアニ劇中で流れた曲を結構やってなかったりして、ミリアニのライブを期待していると消化不良だったのは否めないと思います(メンバー不在の新曲をやらない判断は理解できますが)。

そもそもミリアニではアニマスからの引用を『READY!!』一本に絞った上でここぞと!いう場面に使うという形をとっていたわけで、それを考えると今回のライブにおけるASカバーがほぼ半分とあう割合はやはりバランスが悪かった気がします。初日の締めが『M@STERPIECE』というのも、ミリアニを経てのライブとしてはどうなのかなと思ってしまいました。

 

あと個人的に『ALRIGHT*』の「イェーイ!」再現は正直やらない方が良かったと思います。

ミリシタで再現されてるとはいえ(それ自体複雑な思いはありますが)、あれはあくまで「アニマスの雪歩」の物語に紐づいたものであって、別に楽曲に紐づいたものではないので、カバーするにあたってあれを再現する必要は無かったでしょう。そもそも個人的にはあずみんでさえやらなくてもいいと思ってますが、それについては別の記事↓で書いているので割愛。

ただその後の『瑠璃色金魚と花菖蒲』の南さんのパフォーマンス(素晴らしかったです)にどこか雪歩に通じるものを感じて、「イェーイ!」役が南さんでまだ良かったなとは思いました。

 

 

そして10周年曲の『Crossing!』はやはり聴きたかったです。 あらゆる展開が良いという確変状態に入ったミリオン10周年において、この曲にはどんどん多幸感が積み重なってきていると思うのですが、とりわけ幸福な出来事であったミリアニを経てのライブで聴けないのはもったいなかったなあと思います。アニメでやってないからということなのでしょうが、この素晴らしい作品ができたことをお祝いするのにこれほど相応しい曲はないと思うので。

 

他にも2日目の曲順シャッフルの意味がよく分からない等々ありますが、今回1番の問題点はやはり『Sentimental Venus』でしょう。

初日はとっても良かったです。メンバー的にもミリアニ=例の事件における歌唱メンバー+CDのオリメンという納得のメンツで、あべりかさんも10年越しに歌えたということで、変に音も止まらず「これでようやくこの曲にまつわるわだかまりがぜんぶ成仏したな、よかったよかった」と思いました。

だからこそ成仏した怨霊を呼び戻すような2日目の演出は明確にやるべきではなかったと思います。まだ初日で止めて2日目は止めず「これでこの件はおしまい!」と区切れればよかったのですが……。

アニメで引用された直後のライブで音止めなかったら「じゃあもうやらないな」と思えたんですが、結局最後に披露された際に音が止まったことによって今後もずっと「今回は止まるのか?」という本来不要なサスペンスが生まれることになってしまいました。

そもそもアニメの12話もかなり繊細なバランスでなんとか成り立たせるだけで、実際結構危うい判断ではありました。何かやるにしても音は止めずに合唱を促すぐらいにとどめておくべきだったと思います。

 

 

まあ今回は思った感じになりませんでしたが、何はともあれ次回のAct-4で全員集合というのが発表されましたし、アニメもまだ途中ということで、まだまだミリオンの確変は終わらないなという感じです。先の楽しみが無限にあるのは強い。さらに欲を言えばAct-5追加でAS合同やってほしい。

 

 

それでは今回はこの辺で。

消灯ですよ。