【ミリオン6th】福岡公演1日目感想(陽)

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 6thLIVE TOUR UNI-ON@IR!!!!」福岡公演、初日はLV、2日目は現地で鑑賞しました。

まずは初日の感想ですが、メチャクチャ面白かったです。比喩でも皮肉でもなく涙が出るほど笑いました。どこがそんなに面白かったのか、ユニットごとに並べていきます。

D/Zeal

大方の「このユニットは最後であろう」という予想を裏切り、トップバッターとして出てきたこのユニット。ここは普通に文句無く良かったです。

もはや貫禄さえ感じさせる『ハーモニクス』に始まり、トークは田所さんの謎の舎弟芸が楽しく、特に良かったのが続く愛美さんのギター演奏に乗せた互いのソロ曲のカバー。2人で歌うことにより、1人で歌うのとはまた違うマジックが起きていて、またこのユニットの世界観に深みを与えていたと思います。

後述のJPBでもやっていましたが、いっそ全部のユニットこの形でソロを入れ込んで、後半のソロパートをバッサリ切ればいいのにとさえ思いました。

確かにD/Zealのようにメンバーのソロの曲調がユニットのカラーと合うとは限りませんし、人数差だってあります。ただそれにしたって現状のソロパートは取ってつけたような形ですし、ユニットの歌唱曲数だってバラツキがあるので、それよりはソロをユニットパートに入れ込んだ方が、構成としてもバランスがいいですし、今回の肝であるユニットでやることによるマジックがより楽しめたんじゃないかという気がします。

まあそこは一旦置いておいて、アコースティックverの『SING MY SONG』からの『餞の鳥』という綺麗な流れでの締めで、この時点で「良いライブだったなあ」と、もう終わった気にさえなっていました(まあその余韻は直後の美咲ちゃんの映像でぶった切られるんですが)。

ともかく、このD/Zealパートはツアー通して一番(神戸観てないですが)ユニットであることが活きていたんじゃないかと思います。本当に最高でした。

(...その上、このパートとの落差によって、以降のユニットパートが非常に面白くなっていたのもかなり大きいとも思ったり)


夜想令嬢-GRAC&E NOCTURNE-

メチャクチャ笑いました。今年一番くらい笑いました。涙が出るほど笑ったのは主にこのパートです。

ゆきよさんもツッコんでいましたが、D/Zealの熱も冷めやらぬ中、このパートではまずいきなり「座れ」と言われ、そして急にミュージカルが始まります。

これ自体はそういうユニットかつ曲もそういうコンセプトなので全然分かるんですが、そのやり方が物語の良いところだけをツギハギにした、いわゆる「忙しい人のための」ダイジェストだったので、その急展開ぶりがシリアスな物語を全てギャグ的に映してしまうのです。

まず初っ端に恵(エドガー)が朋花(クリス)に言う「綺麗なドレス…(同じ衣装)」から、名乗ってもないのに急に名前で呼び合ったり、「そっちは行き止まりだぞ!(舞台上は行き止まりじゃない)」とか、なんの前触れもなく恵(エドガー)が生命の危機に瀕して倒れたり、急に戦い始めたりしながら、誰がどういうキャラで何をしたいのかもよく分からないままエンディングに至る所で、莉緒(エレオノーラ)が急に誰かに長い独白を始めたりします(誰に語っているのかはよく分からない)。

もちろんこれはCDのドラマパートを聴いている人なら、飛んだ時間の間を埋めて「これはあのシーンだ!」と感動することもできるでしょうし、ライブに来るような人は大体物語を把握してるでしょうから問題無いっちゃないんでしょう。私自身、CDでドラマもちゃんと聞いていたので筋は理解していたんですが、それよりも、知らない人が見たらただただ困惑するであろう飛び具合がどんどん楽しくなってしまいました。加えて演者さんたちが極めて真剣に演じられていて、この状況でそれができるのは本当にすごいと思いますが、コメディといえば当人たちが真剣であるほど可笑しくなってしまうもので、本当に申し訳ないですがひたすら笑っていました。

そして終わったと思ったら間髪入れずカーテンコールが始まって、その早さも笑うんですが、演者さんを紹介するテロップが「エドガー役所恵役藤井ゆきよ」みたいになっていて、そのまどろっこしさに最後まで笑わせてもらいました。

スクリーン越しでなく生で観た2日目は別の意味で泣けてきたんですが、その話はまた後で。


EScape

物語を超絶圧縮して詰め込んだ直前の夜想令嬢とは打って変わって、こちらは物語の背景の説明は一切なされず、いきなり『I.D 〜EScape from Utopia〜』で「ココロが芽生えてして嬉しい!」みたいな明るいところから始まって、そこからの曲調が急転直下でシリアスになっていくので、こちらは知らないアニメの最終回をいきなり見せられる感じになっていました。

一応「感情が芽生えたために追われてしまう」という物語の流れには沿っているのですが、まず前提となる「アンドロイドには感情がない」というのが全く示されないので、やはり急な印象は拭えません。最初に世界観を示す意味でも、普通に『Melty Fantasia』からやればよかったと思うのですが。夜想令嬢にしても、EScapeにしても、次のJPBにしても、予想の裏をかこうとして、ことごとくただ分かり辛くなってしまっているところがなんとも微笑ましいです。

それよりもこのパートで注目すべきは、衣装のぴっちり感とか太もも...ではなく「ピコピコプラネッツ」と同様の衣装が発光するしかけです。

背景演出に合わせて衣装が光り出すとか、曲の最後に光りが消えていくとか、止まっている時の演出はまあいいのですが、動いている時には後ろのスクリーンとか階段の電飾が常時光りっぱなしで、これが同化しちゃってビックリするほど映えない!

『Mythmaker』の時なんかが特にすごくて、後ろのスクリーンが映像垂れ流しで衣装の光が全然見えないのは基本として、MOIW2014で本家が披露した際、ダンサーさんが一人一人激しいダンスを披露したように印象的な見せ場になる間奏パートでは、今回も一人一人が踊るのですが、よりによって踊っている演者さんの後ろで光の粒がたくさん流れる映像を流すので、映えないどころか大変見づらい!暗闇の中光る衣装で踊ったりなんかすればめちゃくちゃカッコイイと思うのですが、なぜか全編通して頑なにそれをしようとしないのです。

別に動いていたら光らないという訳でもないでしょうし(実際踊っている時も普通に光ってましたし)、安定性の問題か顔を見せるためかはわかりませんが、折角つけたしかけを相殺するような演出ばかり行うので、夜想令嬢の流れもあってかやっぱりどんどん楽しくなってしまいました。これはクソ映画を突っ込みながら見る感覚に近いです。「あ、また背景被ってるよ!」って。


Jelly PoP Beans

このパートはとにかく「トリに『月曜日のクリームソーダ』を持ってきて派手にやるぞ!」という強い意志を感じさせる構成でした。

『月曜日のクリームソーダ』かと思わせておいて『ART NEEDS HEART BEATS』のカバーをやったのは、流石に『I did+I will』を最初にやるのは変だからと、トリを盛り上げるために焦らしたかったんじゃないかと思っています。世界観のわかりやすさで言えば、普通に『月曜日のクリームソーダ』からやった方が良かったと思いますが、先述の「裏をかきたい欲」と、とにかくトリにこれをやリタいというのが一番にあったのでしょう。

タップダンスに始まり、大人数のラインダンス、他のユニットの人たちも出てきて、ミリオンにおけるステージ上に上がった人数は過去最高だったそうです。

この演出が非常に派手で華やかで、それはもう演者さんのパフォーマンスが霞むほどでした。この場は完全に演出がなによりも前に出ていました。

これがもう、作り手側がこの演出を本当に最高だと思っていて、キャッキャしながらやってるんだろうなあというのが伝わってきて、大変微笑ましく感じられました。

実際のところ、タップダンスやラインダンスの間、演者さんたちはほぼ見ているだけだったり、歌はBGMと化していたりして、演出として完全にバランスを欠いているんですが、「それだけこの演出を見せたかったんだなあ」というのが感じられて、もはやニコニコしてしまいます。仙台の4Luxuryの時も、遡ればシンデレラの4thSSAからこういう「みんなが出てきてワーワーやる演出」をやってたので、本当に好きなんだと思います。

そんな感じで演出ばかりが記憶に残って、演者さんのパフォーマンスも全然思い出せなくて、一応桃子Pとしてやってる身としては怒っても良い気もしますが、それでもなんだか憎めないステージになっていたと思いました。


ソロ&ユニットパート

全体的にアレな感じの前半ユニットパートに比べて、後半のパートは比較的まとまっていたと思います。可笑しかったのは、あれだけ静香とジュリアのデュオをガッツリやっておいて、その直後に静香と志保でデュオをやる節操のなさぐらいですかね。

パフォーマンスとしても、皆さん力が入ってたように感じましたが、桃子のソロがいつ来るか気が気じゃなく、微妙に集中出来てなかったのが本当に申し訳ないです。

そんな中でも特に良かったと思うのが、まず舞浜歩/戸田めぐみさん。

ソロ曲の『Oli Oli DISCO』において、戸田さんは本当に楽しそうに一生懸命踊っていて、実際「ダンスが楽しい」とも語っていましたが、それはもう観てるこちら側まで楽しくなる踊りっぷりでした。あの瞬間は間違いなく「ダンスで皆を楽しませる」という点で、舞浜歩を完全に体現していたと思います。

同じく良かったのが、超可愛い百瀬莉緒/山口立花子さん。

立花子さんは5thから超可愛いなあと思っていましたが、今回のゴシックなドレスを纏った姿もメチャクチャ美しかったです。夜想令嬢ではずっと笑っていたと言いましたが、同じくらい「立花子さん可愛いなあ、美しいなあ」と思っていました。ソロの『Border LINE→→→♡』も、見惚れてパフォーマンスを細かいところまでちゃんと見れてないのが心苦しい。どんどん可愛く綺麗でセクシーになっていくので、もはや完全体の莉緒を体現しているようです。どんなヘンテコな演出の中でも、立花子さんがいるだけで見れてしまう本当に有難い存在です。


そんな感じで、全体的に初日は和やかに楽しむことができました。翌日の現地で桃子のソロが観れることも確定しましたし、ここまで素直にライブを楽しめたのは久しぶりです。二日目の感想にも書くかもしれませんが、こういう大味バカ演出のライブの時は客観的に見れるLVが合ってる気がしました。それを現地で観てどう感じたかは二日目の感想で書きます。

それではこの辺で。


【つづく】