『さらざんまい』第8話感想と考察じゃないけど

さらざんまい第八皿



燕太...。

誰かのために何かをしようとしてるけど、相手の気持ちを全く理解できない一稀や、達観してて兄のためなら自分の大事なものを捨てる事さえ厭わない悠と違って、燕太はゲスでみっともなくてどうしようもない奴なんだけど、一番人間臭くて、彼には幸せになってほしい。

燕太が撃たれ、悠は街を離れ、あとケッピも雑に氷漬けにされて、一度絆が深まった後に離れ離れになるというのは、まあ王道な展開ですが、今回はその作劇の巧みさが非常に際立った回でした。

まず一稀と悠が過去に出会っており、ミサンガも悠から一稀に渡っていたものだと明かされる。これであのミサンガが悠→一稀→春河→燕太→一稀と、さながらピングドラムのごとく輪って3人の縁をつないでいたことが分かります。ミサンガは切れると願いが叶うというものですが、誰かの願いが叶うことで、このつながってきた縁も切れてしまうのでしょうか。

それから一稀たちを裏切り、悪の道に堕ちた燕太はパチンコ...ではない玉をはじく健全な遊戯(コリントゲームとかスマートボールとかいう名前らしいです)に興じていると、悠の兄・誓と出会い、一稀と悠の「縁」を知ったり、レオとマブの凶行を目にする。一稀と悠の縁を知った燕太は、カッパ広場に戻るが、一稀は燕太を受け付けない。そんな折にレオとマブが希望の皿の在り処を突き止め、カッパ広場にやってくる。彼らの凶行を目にしていた燕太は、いち早く危険を察知、一稀を庇って撃たれてしまう。一稀はまたつながりを失ってしまうのか...。

前回の感想で、次回は燕太の話をやるんじゃないかとか言ってましたが、そんな浅はかな想定などは軽く超えていて、一つも無駄なシーンがなく、その上主要人物たちのエピソードが有機的に絡み合い、全員のお話を同時に進めるという、うっとりするような構成でした。

それもそのはず、BDの情報を見る限り、どうやら一般的なアニメよりも短い11話構成っぽいので、そうなると残すところあと3話。すでに何本分のドラマが入っているんだという感じですが、その中でどうこの物語を落としていくのか、しっかりと見届けたいと思います。


もう大体の謎が明かされて、あとはキャラクターやこの物語がどこへ向かうのかという段階になってきて、特に考察するところもなくなってきたので、とりあえずこの辺で。


グッドサラーック!