「ミリシタ4周年!!! Anniversary4you! 生配信」にて発表されたゲーム内イベント「MILLION THEATER SEASON」プロジェクト。これは、52人のアイドルがシーズン毎に分かれてチームを組んで全国を回るというもの。各シーズンのチームはそれぞれ「BRIGHT DIAMOND」「CLEVER CLOVER」「LOVERS HEART」「SHADE OF SPADE」と、トランプをモチーフにした名前が付けられています。
この試みは個人的になかなか良いと思っていて、なぜなら最近のアイマスに希薄な「コンテンツとしての新たな指針」となりうるからです。
スマホゲームがアイマスの中心になって以降、常にコンテンツに触れられる場ができましたが、その一方でコンテンツとしてのメリハリは薄れたように感じます。昔は毎年のように新作ゲームが出たり、TVアニメや劇場版だったりと、およそ1年毎に軸となる展開が変わっていくので常に新鮮に楽しめました。それがスマホゲーム中心になったことで、ひとつの軸で平気で5年以上引っ張るようになり、正直マンネリ化してる面はあると思います。もちろん運営する側もそんなことは分かっていて、新たなCDシリーズを作ったり、新しいユニットを組んだりと色々してるわけですが、どれも単発感が拭えずコンテンツの軸にするにはやはり弱い(その中でもsideMが「世界を周る」的なコンセプトでやってたのは側から見て面白いなとは思ってました)。
その軸の弱さゆえに、ライブでも特にコンテンツの展開に関係のない、よく分からない、掘り下げも浅いトンチキなコンセプトが足されたりして、なんだかなぁという感じになっているのだと思います。
今回の「MILLION THEATER SEASON」プロジェクトが良いのは、やってることはこれまで通り新たなユニットを組んで出していく形でありながら、全体を大きなコンセプトでまとめ、季節に区切ってメリハリをつけ、総合して「ミリオンライブ !」全体で取り組んでる感が強く、大きな流れを感じさせるところです。単発のユニットだけだと個別に「良かった」とか「そうでもなかった」みたいな感想を抱くだけで、継続的な興味は抱きづらい。それが今回のような形なら、それよりはずっと興味が持続する気がします。
何より個人的には凝ったコンセプトがあって、凝ったユニット名が付けられて、作り込まれた物語があったりする「ユニット」がベースとなるここしばらくのアイマスの展開にはずーーーっと食傷だったので、そこから一歩でも抜け出す今回の展開はとても歓迎できるところです。どうしても「オリメン」的な意識は出るとしても、以前のユニット中心の展開よりは自由にできそうなのも楽しそう。もうしばらくユニットはいいよ……。
ここまで褒めておいてなんですが、ゲームの方はそんなに触れられてません(やはりソシャゲは2年を過ぎるとどうしても……)。
ではなんでこんな文章をわざわざこさえてるのかといえば曲が超良いからです。1曲目の『DIAMOND JOKER』もカッコいいですが、続く『真夏のダイヤ☆』と『シークレットジュエル~魅惑の金剛石~』が特に良い。
まず『真夏のダイヤ☆』はMA4美希の『アプデ』で一気にファンになった三浦誠司さんの楽曲ということでまず嬉しい。楽曲としても展開が沢山あって楽しく絶対ライブが楽しい曲で、三浦さんは『LOVEオーダーメイド』の頃から韻を踏んだ歌詞をよく書いていましたが、今回はいよいよがっつりしたラップも聴けます。必ずしもそこまで厳密に踏む形ではなくとも、頭韻と脚韻つまり言葉の始まりと終わりの音がしっかり揃っているので、途中の音が外れていてもそこまで気になりませんでしたし、音としての気持ちよさはしっかり乗っています(普段は韻が中途半端なラップ曲を聴くとどうしても気になってしまう)。要所要所で「Can't take it back 完璧じゃん」だったり「ロケーション」「(スタンディング)オベーション」など長めの韻を決めてるのもポイントが高い。
歌詞の中身も面白く、この「MILLION THEATER SEASON」も始まったばかりなのにいきなり「ハイ!お別れシーズン終了」で始まるがまず面白いですし、「ダイヤ」というモチーフから「ショーケース閉まって 大事大事しないで」という歌詞が出てきたり、「ビーチ」というモチーフから「ポイ捨て」を連想して「しょーもないダメージポイ捨て推奨」というひねりの効いた歌詞になるのも面白い。『アプデ』でも突然「あぶないな!足元注意だよ」とか出てきて、何かと考えれば「スマホ」→「歩きスマホ」の連想だったり、そういう一つのモチーフに対する独自の視点からの掘り下げが三浦さんの歌詞の魅力だと思います。
またボーカルも雪歩がしっかり立っていて、そこも嬉しいところ。
続く『シークレットジュエル~魅惑の金剛石~』もまた良くて、作曲はアイドルグループ「フィロソフィーのダンス」の楽曲でも有名な宮野弦士さん。宮野さんの名前や個別の楽曲はラジオ等で聞いていたのですが、今回で一気につながりました。これきっかけで早速掘り始めました。作詞はこれまたいい曲揃いのユニット「Jus-2-Mint」の曲の作詞を手がけたMEG.MEさん。(ところで今回の楽曲は歌詞やタイトルにチームのモチーフが入るっぽい。今回はダイヤなので書き分けようがありましたが、ハートはともかくクラブとスペードは書き分け大変そう)
イントロからまたカッコよくて、シンデレラの『Tulip』にもタメ張れる印象的なイントロが生まれました。全体通しても音が本当に気持ちがいい。そこに乗るアイドルの歌声もそれぞれ立っていて、2番からの桃子の不敵さもまた新しくて良いですし、 一貫して歌織さんが超のびのび歌っているのが印象的。MVのダンスまで良かったりして、ミリオン全体でもトップクラスに好きな曲になりました。
ここまでで「BRIGHT DIAMOND」チームは一通り出揃ったので、じきに次のチームが発表されるでしょうが、今回のチームの打率が非常に高かったので、次も楽しみ。本当は全国回ってライブしたり、イベントとしても既にコンセプトがきっちりある分おかしなことにはならなかったと思うので、いまの状況が本当に惜しい。とりあえず配信イベントが10月9日にあるので、そちらを楽しみにします(タイトルに”最高の公演”ユニオンエアーの亡霊が漂ってたのは笑った)。
それではこの辺で。
消灯ですよ。