ミリオン5th2日目感想と演出家のアレについて

前回に引き続き、2日目について書いていこうと思います。

【ざっくり目次】

・2日目について
・演出家降板署名運動について




・2日目について


1日目は「やらなきゃいけない曲」しかないような中でしたが、結果として流れも意識した、スムーズなセットリストとなっていました。幾つか文句は書きましたが、だいたい個人の好みを垂れ流したようなものなので、実際あの状況ではあれがベターだったと思います(あくまで曲順に関しては)。




そして2日目ですが、これがまた1日目と対照的な内容でした。展開は唐突で、流れなど微塵もなく、曲だけ決めてiPodのシャッフル再生で決めたような投げやりささえ感じました。それでいて最後のブロックだけは綺麗すぎるくらいに並べてくるので、最終的にはボンヤリと良かったような気分にさせられてしまいます。ミリオン4thのような単調なセットリストは確かに面白みに欠けますが、だからといって全くランダムにすればいいというものでもありません。「予想できない展開」とはよく言いますが、完全に予想できない展開が続けば、途中からどうでもよくなり、結局は飽きてしまいます。基本的な流れがあるからこそ、「予想できない展開」は活きてくるのです。

確かに2日目の「やらなきゃいけない曲」たちの中で流れを作るのは難しいと思います。ですが、それにしたって『FairyTaleじゃいられない』の後に『虹色letters』とか、『昏き星、遠い月』の後に『Princess Be Ambitious!!』のような、こちらの感情を無視した並びが多すぎます。これでどんな気持ちになれというのでしょう?





そんなセットリストの中でもライブが成立していたのは、ひとえにキャストの方々のパフォーマンスのおかげです。この日はLVでの鑑賞だったため、より細かいところまで見れたというのもあるでしょうが、それを差し引いても、皆さん伸びやかに、あるいはパワフルに、それぞれこれまで以上に素晴らしいパフォーマンスだったと思います。

というわけで、今回はセットリストを無視して「個人的に特に良かった場面」をただただ列挙していこうと思います。

・『Only One Second』
序盤のハイライトは何と言ってもこの曲でしょう。駒形・ベイブレード・友梨先輩(以下べーせん)、歌が上手いのは知っていましたがここまでとは。これまでも彼女のステージには、観ている者を引き込む非常に強い力がありましたが、同時に緊張を感じることが多かったのも事実です。しかし今回はひたすらにのびのびと歌っている様子が見て取れて、また感情も同時に伝わってきて、ただただうっとりと聴き入っていました。そもそもこの曲自体、まっすぐで気持ちのいい、MSシリーズの曲の中でもトップクラスに好きな曲というのもありますが、こればかりは現地で聴けなかったことを悔やみました。

・『Border LINE→→→
山口立花子さん、めちゃくちゃ可愛かったです。武道館の『NO CURRY NO LIFE』からじわじわ気になっていましたが(あ、そういえば1日目のりえしょん「ダメ、絶対!」の件で木戸ちゃんがこの曲の「ダメ」ポーズしてくれてましたね)、今回で一気にボーダーライン超えました。可愛いし、色気もあるし、「恋」だの何だの言われちゃ、そりゃあどうしようもないですよ。前日の疲れもあって、ちょっと帰りたくなっていたのに持ちこたえられたのは、立花子さんを見たかったからというのもかなりあります。





・『昏き星、遠い月』
よくよく考えれば当然ではあるのですが、キャストの方々がヘッドセットをつけて出てきた時は、素直に感動してしまいました。身体的な表現の制約が無くなったことで、さらに「声」の表現に関しても相乗効果を生んでいたと思います。これは、ミュージカルや演劇に近いこの楽曲ならではの効果でしょう。アイマスライブにおいて、唯一無二の世界観を表現していたと思います。終わった後の余韻がもっとあればなあ...。

・『ジレるハートに火をつけて』
これは誰もが待ち望み、予想していたところで、当然グッときてしまいます。4thの鬼気迫る舞台から一転、多幸感に満ち溢れ、喜びの伝わってくるステージでした。ただここで盛り上がった分、次の曲に何を持ってくるかは当然気になってしまいます。それまでの流れのなさもあったのでなおさらに。

実際は、『ジレる』の赤と対比になる青の『Blue Symphony』、『STANDING ALIVE』で一旦クッションを挟み、『ムーンゴールド』『スタートリップ』『シルエット』『SING MY SONG』とバラードで締めるという、これまでの行き当たりばったり感は何処へやら、綺麗すぎるほどの流れができていました。

この結局何がしたいのかよく分からない感覚、最近は無くなってきていると思ったのに、ここにきてまた復活されたもんで、正直落胆してしまいました。最近は割と期待もあった分尚更に。ステージ単体としてはどれも素晴らしかったのが救いです。

あんまり文句を重ねるのもどうかと思うので、この辺で2日目については締めますが、本ライブ全体としては、とにかく「良くなってきてるのか、ダメなままなのかハッキリしてくれ!」という気持ちになったライブでした。

・演出家降板署名運動について


こんな感じで、これまでも割とライブ演出(主にセトリ)に文句は言ってきましたが、ライブ後に出てきた「アイマスライブの演出家の降板を求める運動」には反対です。なぜならライブは多数の人間が関わってできるものだからです。おわり。

だいたい「ラスボスを倒せば世界平和が訪れる」みたいな無邪気すぎる考えもどうかと思いますが、実際演出家1人降板したところでその先はどうするのでしょう?故・ディレ1(現ウマ1)が復活でもしない限り、結局は似たような状況に戻るでしょうし、何より漸く良い兆しが見えてきたのに、また振り出しに戻ることの方が許容できません。

この署名運動を行うに至った論拠も、「好きなお菓子を買ってきてくれない親にぐずる子供の駄々」みたいなことしか書いていないわけですが、一言目からこれです。

「現行の演出・構成担当がヒップホップ出身という事も影響してなのか、セットリストがアップテンポの曲にやたらと偏って作られています。」

この筆者の考えるヒップホップがどうかは知りませんが、一般的にヒップホップ=アップテンポではないことは、にわかの私にも断言できます(もともと踊りのための音楽だからです)。それからDJに代表されるように、曲の流れ、繋ぎ、文脈もかなり重視されます。少なくとも、その後に挙げられる「流れを無視した選曲」なども含め、その要因を「ヒップホップ」に求めるのはかなり無理があります(そもそも彼の「Hip Hopを始め舞台役者として数々の舞台に〜」という自己紹介もよく分からないですけど)。さらに、直近のライブでは「アゲ偏重」や「全体の流れの無視」はかなり軽減されており(今回の2日目はともかく)、これも認識が古いと言わざるをえません(初日感想初星感想を参照)。

その後の論も、言ってることは要するに「ぼくのみたいあいますらいぶじゃない!」であり、その不満の要因を全て演出家1人に求められるだけの根拠も示せていません。ほとんどが推論です。バンナムに要望をぶつけるなら、まず「現在アイマスがどのような体制で運営されているのか」と聞く方が先だと思います(特にシンデレラ周りとかよくわからないので知りたいです)。

全体的な「気の利かなさ」は、実際最近のライブでは一貫して見られますが、それは演出家云々というより、全体を見渡せて現場を知る「ディレ1」という存在が居なくなったことの方が大きいでしょう(ガミPはあくまで上の人ですし)。

そんなわけでこの件について私が言いたいのは、要するに「単純な思考で単純な行動を、主観的な正義の元で行う前に、立ち止まってもう一度よく考えてはいかがか」ということです。それでも「許せん!」と思ったなら、署名運動よりライブに行かないでNOを突きつける方がオススメです!やっぱり利益に響くのが一番効くでしょうから!





私自身件の演出家は全く好きではないですが、良くなる兆しが見えてないわけでもないので、長い目で見ていきましょうよ。多分そういう契約でしょうから(根拠のない推論)。


【おしまい】