映画『デッドプール』3作目にしてMCUとの合流作『デッドプール&ウルヴァリン』観ました。
ディズニー資本のMCUに入ったということで、あのデッドプールも品行方正に……なるなんてことは全く無く、変わらぬハチャメチャさで暴れていて、とっても楽しめました。そしてそれ以上に感動して終始泣きながら観ていました。
まず今回ヒュー・ジャックマンがウルヴァリンとして再登板ということで、あの感動のウルヴァリン引退作『ローガン』はどうなるんだ？というのは多くの人が心配していたことだと思いますが、「『ローガン』の思い出を汚さずにいられるか？無理だね！」と冒頭から宣言していて爆笑しました。
そんなことを言いながらも、今回活躍するのはあくまでマルチバースのウルヴァリンであり『ローガン』におけるウルヴァリンの死をナシにはしてないですし、ローラの成長も見せてくれるなどリスペクトもしっかりあって、『ローガン』の感動が減じるどころかちょっと増したんじゃないかとさえ思いました。
その上で今回のウルヴァリンのドラマもかなり良くて、大きな挫折を味わった「最低のウルヴァリン」が再び立ちあがろうとする様は非常に感動的でしたし、『ローガン』までとはまた違う魅力を持ったキャラクターになっていて、とても良かったと思います。
またMCU合流作と言いながら、今回フィーチャーされるのはもっぱらMCU以外の20世紀フォックスを中心とした実写作品である点も良くて、MCUという「神聖時間軸」の外でも俺たちは頑張ってきたんだぞ！その過去があるからこその今なんだぞ！と力強く表明するような活躍に涙が止まりませんでした（のびのびとヒューマントーチを演じるクリス・エヴァンスとその酷すぎる扱いには笑いました）。
ちなみにカサンドラ・ノヴァの抵抗勢力の中で唯一「お前居たっけ？」となっていたガンビットは、今回演じているチャニング・テイタム主演で元々単独映画の企画が進んでいたのが立ち消えになったという経緯があるようで、それを知ってから改めて観ると感慨が増しそうです（完全にギャグキャラ扱いでしたが）。
これまでマルチバース展開が散々擦られてきて、個人的には結構楽しんでいましたが（デッドプールは失敗だと茶化していましたが）、今回の使い方にはファンサービスを超えてかなり感動してしまいました。
そしてこれだけ無茶苦茶やっても、（デッドプールは毎作そうですが）最終的には立派な「ヒーロー映画」になっていて、ドラマは王道で通しているのも素晴らしかったです。
もちろん諸々の文脈を知らない人からすれば何が何やらでしょうし、一本の作品としては破綻していると言ってもいいでしょう。また露悪的な表現も今はそんなに機能しない気もしますし、デッドプールとウルヴァリンのじゃれあいも少々くどい気もしましたが、個人的にはかなり刺さってしまいました。
最近ちょっと元気が無かったMCUもこれを機に盛り上がってくれると嬉しいです（しかし次のアベンジャーズでルッソ兄弟とロバート・ダウニーJrを再登板させるのは「なりふり構わなすぎか！」と思いました）。
それでは今回はこの辺で。
消灯ですよ。
