最近観た映画の感想(ほぼジョン・ウォーターズとホドロフスキー)

最近ちょっと時間ができたので、久々にDVD借りたり配信だったりでこれまで観たことなかった映画を観たりしています。今はジョン・ウォーターズからアレハンドロ・ホドロフスキーというカルト監督の作品をまとめて観ていて、頭クラクラしています。というわけで、観た作品を観た順番で簡単な感想を書いていこうと思います。

 

ジョン・ウォーターズ作品

クライ・ベイビー

ジョニー・デップの初主演作。徹底的にエリートのボンボンみたいな人たちをクソ野郎として描いていて、そんな中のお嬢様のヒロインが主人公たち不良グループに惹かれ解放されていく様はとても感動的。

 

ピンク・フラミンゴ

とにかく人が不快になったり眉をひそめるようなこと(性描写、異性装、近親相姦、ゲロ、排泄、殺人、人肉食、ニワトリ殺し)の詰め合わせのような作品。だが意外と映画としてはしっかり作られていて、本気で人を不快にしようという意気込みが伝わってくる。股ぐらに挟んで万引きしたステーキ肉を食べるのと並行で露出狂がチンコにソーセージをくっつけた後にソーセージのサンドイッチを出すところなんて対比が効いてるし?、最期の犬の糞をワンカットで食べるシーンも序盤の「糞食らえ」という言葉に対応していたりもする?。個人的に一番やられたのは肛門をパクパクさせる芸が結構な長尺で流れるシーン。

 

『マルチプル・マニアックス』

変態犯罪者たちの痴情のもつれが大惨事を招く。悪趣味はそのままに(順番的にはピンク・フラミンゴの前作)、いわゆるアート的な展開に目の覚めるものがあった。特にあのロブスターはたまげた。

 

『セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ』

反体制のゲリラ映画集団がトップ女優を拉致して映画を撮る。あらゆる意味で無茶苦茶をやりつつ、アクション映画ファンやポルノ映画ファンが助けてくれるくだりにはうっかり笑い泣きさせられる。特に親とフォレスト・ガンプへの憎しみには笑った。

 

全体として悪趣味さや変態性は、世の中の「普通」に中指を立てるものであり、それでいてそこに耽溺するだけでもない知性を感じた。ちょうど星野源がラジオでジョン・ウォーターズを紹介していて、そのあおりか買おうかどうか迷っていた『ヘアスプレー』のDVDが売り切れていて困った。

 

アレハンドロ・ホドロフスキー作品

 

ホーリー・マウンテン

これぞ「アート映画」といえるビジュアル・展開のつるべうち。お話の要約は不可能。ホドロフスキーの劇映画は初めて観たが、以前にドキュメンタリーの『ホドロフスキーのサイコマジック』を観ていたので、これもホドロフスキーのカウンセリング的なものと補助線が引けていたのである程度見やすかった。機械を棒でイかせて、その機械の子供が生まれるくだりは爆笑。オギャアじゃないよ!

 

『リアリティのダンス』

エンドレス・ポエトリー

ホドロフスキーの少年期(リアリティ〜)から青年期(エンドレス〜)を描いた自伝的映画。ある意味で過去作の答え合わせのような作品で、こういう経験(どの程度本当かは別として)からあの話ができたのかというのがよく分かる。

 

『エル・トポ』

代表的なカルト映画のひとつ。序盤は腕利きのガンマンたちと1人ずつ対決していく、比較的分かりやすいウェスタンだが、後半から全く予測不能な方向に転がっていく。アーティスティックな作品でありながら、寓話としてよくできていた。のちの様々な作品に影響を与えているというのも納得。

 

モチーフとしてはジョン・ウォーターズと共通するところがありつつも、こちらは露悪でなくむしろ神聖なものとして描かれているあたり、並べて観る面白さがあった。

 

 

というわけで簡単な感想でした。ヘンテコな映画を連続して観て疲れたので、途中息抜きにDisney+配信の新作『プレデター/ザ・プレイ』を観たのですが、めちゃんこ面白かったです。過去が舞台で原住民の女の子がプレデターと戦う話で、非常によくできていました。

 

今回はこの辺で。

消灯ですよ。