2023年4月から放送のTVアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』第7話「声を持たないのに語るもの、なに?」を観たので感想を書いていきます。
今回の主役は古賀小春。夢見がちで半分空想の中にいる彼女が、仕事先で迷子になってしまい……?という話。(親友はイグアナのヒョウくん)
ここまでかなり「リアル」な話が続いてきたぶん、空想が入り混じるファンタジックさが印象的な回でした。
アイドルが1人で身動きが取れなくなり、ペットが飼い主を助けに単身走り出す!という展開は2011年のアニメ『アイドルマスター』16話を思い出しました。あちらも大概ふわふわした話ではありましたが、今回は一部を空想とすることで、印象としてはファンタジックでありながら、あくまで「小春から見た現実」という、一応理屈が通る作りになっていたと思います。
もちろん起こる出来事は「リアル」とは程遠いわけですが、トークショウで登壇者が全員転ぶとか、ヒョウくんがいきなりぬいぐるみ化されて、若干無理がありながらも「イグアナを抱いた女の子」という迷子になりようがない小春の特徴を打ち消すとか、ベタですが雨が降り小春が孤立したりと、お話を盛り上げようとする工夫が随所に感じられて個人的にはとても楽しく観れました。
「小春、ずっとここで暮らすのかなあ......」というセリフが子供らしい、なんともいえないリアリティがあってよかった(12歳にしてはノリが幼すぎると思わないでもないが)。
その上でさらに良かったのが、作中を通した「お姫様」という存在の変化。小春にとって「みんなに好きになってもらえる、助けてもらえる存在」という非常にステレオタイプ的だった「お姫様」が、「みんなに手を差し伸べて幸せにする存在=アイドル」という、成長とともに「自分の道」へと昇華されるストーリーにはかなりぐっと来ました。
そこから『お願い!シンデレラ』というED選曲も今回のストーリーにピッタリで、さながら小春の決意表明のように熱く聞こえました。序盤からリフレインされる鼻歌から新曲『アイム・ア・リトルプリンセス〜お星様にお願い〜』につながる構成も上手かったですし、作詞が朝倉路さんということで、2番以降にどう展開していくのかも気になります。
ちょっと異色な回ではありましたが、その味わいも含めて個人的には地味にこれまでのベスト回かも。
次回はありす回っぽい雰囲気が出てましたが、主人公的なポジションとしては早すぎるので、ラストに向けて少しずつ布石を置き出したか、1話かけての布石回ということならあるかも。......と思ったら次回は総集編らしい。頑張れ。
それでは今回はこの辺で。
消灯ですよ。