【ドラマ】『相棒』を1から見返す(PS〜S5編)

水谷豊主演の刑事ドラマ『相棒』のシーズン20で反町隆史演じる冠城亘が相棒を卒業。そして次のシーズン21では初代相棒、寺脇康文演じる亀山薫が復帰するということで、この機会に1から見返し始めました。とはいえ、20シーズンある1時間ドラマを全部観ていてはキリがないので、基本的には1話と最終話、そして後のレギュラーの初登場回などをつまみながら飛ばし飛ばしで観ています。それでも各シーズン1話は90分ぐらいあったり、2話3話完結のストーリーだったりするので、それなりに時間はかかりますが。ちなみにテレ朝の配信サービス「TELASA」で観ました。

 

改めて観てみると、当然ながら初期は今のようなフォーマットが全然固まっていなくて、それがシーズンを追うごとに固まっていくさまが面白かったです。また、シーズンごとに縦軸となる本筋がしっかりあって、ストーリードラマとしての側面でも良くできてるなあと思いました。具体的に各シーズンどんな特徴が感じられたかを以下に並べていきます。

 

pre season

単発のいわゆる2時間ドラマの形式で、合計3話。杉下右京亀山薫の出会いが描かれる。

この時点では右京さんと亀山くんが割とギスギスしていて、今の感覚で見るとかえって新鮮。第1話では米沢さんが鑑識ではなく監察医だったり、特命係の部屋もちょっと違ったり、でも角田課長は変わらなかったり、連続ドラマ版との差異が楽しい。今のメインテーマはまだ生まれておらず、時代感を差し引いてもハッキリダサいOPが味わい深い。

 

season 1

連ドラ版第1作。特命係の部屋が今とほぼ同じものになり、岸部一徳演じる小野田官房長が初登場。初期相棒で何より良いのが小野田官房長の存在で、右京さんと対等にやりあえて、味方にもなり敵にもなる彼の存在は非常に魅力的。このシーズンでは特命係の生まれた背景が明かされ、特命係が解散して終わるという、続くか分からない故の綺麗にまとまったストーリーが良い。OPがだいぶマシになっている。

 

season 2

このシーズンの核はpre season第2話に登場した亀山くんの親友で殺人鬼の浅倉禄郎(生瀬勝久)。初回から2話かけて、浅倉の依頼で自動車教習所に飛ばされた亀山くんと休職中の右京さんが捜査→特命係復活が描かれる。2話の最後で浅倉が飛び降り自殺を図り消息不明になったことが、シーズンを通したフックになっている。まだ今のメインテーマは生まれてないが、このOPもこれはこれでカッコいい。

 

season 3

亀山くんが特命係を離れて警視庁麹町東警察署刑事課強行犯係に移動するところから始まる。結局途中で特命係に戻るのですが、環境を変えて新鮮味を出そうとしているのが良い。麹町東署で亀山くんの上司となる海音寺菊生(竹中直人)があまりにもただの竹中直人で、完全に持て余してる感じが面白い。持て余した結果途中でフェードアウトして、以後全く出てこないですし、今後も出ないでしょう。他にも亀山くんと美和子(鈴木砂羽)が別れたり、以後も度々登場する政治家の片山雛子(木村佳乃)が初登場したり、色々と要素の多いシーズン。OPではおなじみのメインテーマがようやく初披露。いよいよ今に繋がるフォーマットが固まった感じがあります。

 

season 4

亀山くんと美和子が復縁。結婚するのかしないのか?というのが全体を貫く線になっている。後に「花の里」の2代目女将となる「ついてない女」月本幸子が初登場。確かに初めから魅力的なキャラクターで、話も面白い名エピソードだったので、その後のレギュラー化も納得。この辺りで右京さん・亀山くんのコンビは完成された感がある。

 

season5

右京さん・亀山くんコンビが完成されてきたことで、現在の相棒にも繋がる巨大な権力の陰謀に立ち向かう相棒コンビという構図が出てくる。そしてこういう場面になった時の小野田官房長はやはり映える。

 

 

元々好きなドラマではありましたが、改めて見ると全体の構成も思いの外考えて作られているのが分かって面白い。なので、相棒としてのドラマを描く余地が少なくなってきたところで亀山くん卒業に繋がるというのもよく分かります。

 

というわけで、引き続き飛ばし飛ばしで観ていこうと思います。

 

 

それではこの辺で。

 

消灯ですよ。