【765AS単独】気概と感慨に溢れた「SUNRICH COLORFUL」初日感想

7月9日・10日に開催された765PRO ALLSTARSによる単独ライブ「THE IDOLM@STER 765PRO ALLSTARS LIVE SUNRICH COLORFUL」初日は配信、2日目は現地で両日鑑賞しました。

 

まずは初日の感想から(前提の状況についてはこことかここで散々書いたので割愛)。

 

馴染み深い社長と小鳥さんのアナウンスから始まるオープニング曲は『We Have A Dream』。この曲をやるのも、まして冒頭にやるのを予想してた人はほぼ居ないと思います。ただこの曲自体アイマスのスロットに合わせて出来た曲であり、「私たちのこと知らなくてもこれから覚えてよね」とスロットきっかけで知った人に向けた自己紹介ソングでもあるので、4年半ぶりの単独ライブには意外と合っている。そしてこの超エネルギッシュな歌詞は今回のライブの方向性を示すようでもあり、良い幕開けだったと思います。言わずもがな、何よりこの12人が揃って出ている事実で既にめちゃくちゃ感慨深かった。

 

いつものどうでもいいコンセプト説明もそこそこに、本編1曲目は『サニー』。個人的には『I'm yours』が本編1曲目にふさわしいとMA4が出た当時から思っていたので、その意味ではちょっと残念とも言えますが、今回「夏」というテーマで一貫してるのは理解できるので文句は無いです。それよりも、いきなりうちわを取り出すギミックを投入してるのを見て「最初からこれだからこの後も面白いことやってくれるんだろうなあ」と期待感がさらに高まりました。

 

その期待にはやくも応えてくれるのが次の『スマイル体操』。17年目にして慣れたハンドマイクでのパフォーマンスを捨て、より大変なヘッドセットマイクでのパフォーマンスを、あの仁後さんが率先してやっているのを見てものすごい気概を感じました。この気概は今回全員に共通してビシビシ感じるところでしたが、両日通して仁後さんの頑張りは特に印象に残りました。ζ*'ヮ')ζ まややるときはやるよ!

 

続く『アプデ』はMA4の中でも個人的に1番好きな曲だったので、嬉しいやら現地で観れず悔しいやら。とても良い曲なのは分かっていましたが、ライブでもやっぱり良かった。長谷川さんの提案で取り入れたという、チラチラ振り向く振りがめちゃくちゃ可愛かったです。

 

『自転車』は「年齢を理由に妥協したくなかった」とMRを再現したというバリバリのダンスを披露していて、これまた気概を感じました。この曲はミリオンでも何度かカバーされていてそれも良かったんですが、それはそれとして平田さん/真の安心感がとてつもなかったです。

 

浅倉さんの強い押し→平田さんの強すぎる返しなど、安定感しかないトークを挟み次のパートへ。

 

Slapp Happy!!!』はホイッスルを披露する仁後さんがこれまた印象的ですが、今井さん釘宮さんも合わせてヘッドセットマイクを使用してクラップを響かせていました。今回ヘッドセットの使い所というのもちゃんと考えられていて、バリバリに踊るためというのは後述の『VELVET QUIET』ぐらいで、「体操」をしっかり見せるとか、何かを持つとか、クラップが重要な曲とか、どれも曲の世界観を表現するための必然性があります。特にクラップは、声が出せない今の情勢でコール&レスポンスをするために重要な手段と言えます。これまでもマイクを持ちながらクラップ風の振りをすることはありましたが、よりクラップという行為を強調する上で今回ヘッドセットマイクが採用されたんじゃないかと思います。

 

次の『恋するミカタ』も応援歌的な側面から旗を振るという発想になったと思いますが、それには両手を空けなければならないので、当然のようにヘッドセットマイクということになります。そしていとこの涼の所属するユニット「F-LAGS」に対する目配せも感じられ(そもそもはMRで披露した流れがあるらしい)、流石の若林さんでした。

 

『芽吹の季』はもうただひたすらにかわいい。雪歩。配信では光を背にしたショットがとても美しかったです。見届けました。気概で言ったら浅倉さんがまさしくそうで、出産直後のしかも第二子という、お休みで当然みたいな状況で出てくれたことそれ自体が気概そのもの。パフォーマンス上ではそんな大変さを微塵も感じさせなかったのも本当にすごいし、周囲のキャストやスタッフの方含めて本当に感謝しかない。ありがとうございます!

 

『セクシータイフーン』は安定の下田劇場。これを待っていた。間奏で「ちょっとだけよ」「あなたも好きね」とかドリフネタぶっこんできて大爆笑しました。そもそも下田さんの提案からそんなネタが入るような曲が出来上がっているわけで、この作り込みように畏敬の念さえ覚える。

 

『マジで…!?』はもうただただ楽しい。途中で若林さんが疲れ果てるというくだりがありましたが、あれはMA4の律子ソロ音源の時点で2番ではっちゃけまくる→間奏で息切れしてるというくだりをやっていたので、それの再現というのもあるかもしれません。

 

MCでミンゴスが紙すり替えられるくだりは面白すぎた。2日目の布石にもなるし、765の空気感はやはり良い。

 

『99 Nights』はメンバーが個人的にヤバくて、アイマス2から雪歩・真・貴音というユニットを中心にやっていたので、これは現地で見たかった……。この3人ドンピシャの音源は無いですし、ライブでの歌唱も多分今回が初なので、完全予想外のところから殴られた感じでした。

 

そこからの『VELVET QUIET』は繋ぎとして完璧。この曲はリリースされた当時からキングが「ガンガン踊りたい」的なことを言っていて、まさに有言実行な今回のパフォーマンス。過去の膝やアキレス腱怪我など全く感じさせずにやりきっていて、本当にすごい人です。曲としてもこれは会場のデカい音で聴きたかった。

 

そして間違いなく初日のハイライトとなった滝田さん/小鳥さんサプライズ登場、そして『翼』からの『空』。サプライズは概ね予想通りで、『翼』は予想通りとても良かった。ただその上に『空』を重ねてくるのはやはりずるい。この2曲は曲も歌詞も明らかに対になっているので、やるかなとは思いつつ、やられたら当然グッとくる。漫画『朝焼けは黄金色』を読んでいれば感動も数倍です。

 

次のMCのテーマはあまりにどうでもよくてびっくりした(面白かったけど)。

 

最終ブロックは『KisS(Long Intro Ver.)』からスタート。全員が「眩しく輝く指輪」を携えている状態で聴くこの曲もなかなか味わい深い。2日目に未披露の『インセインゲーム』をやると思ったらそんなことはなかったぜ。

 

次はオリメン『inferno』。浅倉さんの『inferno』歌唱自体は8thツアー横浜で長谷川さんとともに披露したというのがあって、ただ個人的には当時LVの鑑賞だったので、これも現地で見たかったです。2日目に未披露の『inferno SQUARING』をやると思ったらそんなことはなかったぜ。今回はこれで全然いいですけど、そのうちプラスタ・ステラのカップリングシリーズもライブで聴きたい。

 

『ソナー』はMA4の中でも好きな曲だったので、これも現地で聴きたかった。この曲は発売当時「爆エモい歌い方にしようとしたけど止められた」的なことを釘宮さんが言っていて、今回の生披露ではその片鱗が感じられたかも。

 

続く貴音はびっくり枠。ぷちます曲から『月の桜』を披露。ぷちます2期系の曲がライブで披露されるのはこれが初らしい(実際2期曲はコンセプトが強くてライブに入れづらそうな曲が多い。いい曲もあるけど)。そんな中、おそらく原さん主導でこの曲が選ばれたことには「未披露曲をやる!」という気概を感じました。

 

『HUG』は聴くたびにしみじみ「いい曲だなあ」と思う。沼倉さんが本当に優しい良い表情で歌っていて、心が温かくなりました。

 

そして『笑って』から続く一連の流れが個人的にものすごくやられてしまって、この曲の途中からもうダメでした。というのも『笑って』は片思いの相手と卒業を機に疎遠になってしまう寂寥感を歌った『またね』の続編的な曲で、今の765の立ち位置と非常に重なるのです。

たくさんの出会い 卒業してからもう2年経つのね

思い出は薄れないけれど増えない ここに止まっていたら何も変わらない

この辺りは765ASとしての活動が少なくなっていた時期のことをどうしても連想してしまいますし、

大切な思い出 しまい込んでた 大事にしすぎてた

今日という未来は開き続けるから 新しい出来事きっと待っている

ほんとに伝えたい事はひとつだけ 目を見て言いたいから、会いにゆきます

最後の歌詞はまさに今回のライブのことを歌っているようで、それまでの素晴らしいパフォーマンスや、今回ようやくライブが実現したことを改めて実感して、感慨の波に飲み込まれてしまいました。

 

ただでさえダメになっているのに『Coming Smile』でさらにダメ押ししてくる。曲名からして『笑って』と呼応していますし、歌詞の内容にしても765ASの活動のみならず、コロナでままならないここ数年の社会情勢をひっくるめて浄化してくれるようなもので、素晴らしい今井さんの歌と合わせて完全にオーバーキルでした。

 

そんな状態で聴く『New Me, Continued』がまあ効く。この曲は初めて聴いてからずっと全員での歌唱こそが完成形だと思っていて、その待ち望んでいた光景が見れた上に、それまでの流れもやばかったので、ただただ感慨に浸るばかりでした。

 

アンコールは『なんどでも笑おう(Long Intro Ver.)』。他ブランドのライブで歌い継いできたバトンがようやく765に渡ってきたということで、これもまた感慨案件。バンナムフェス2ndでの合同歌唱も良かったですが、やっぱり15周年記念曲ですから、15年+2年やってきた765が歌うのが一番しっくりくる。これにて2年越しの15周年イヤーがようやく幕を下ろしました。

 

そして締めはまさかの『READY!!』。当然『THE IDOLM@STER』がくると思ってたので、めちゃくちゃびっくりしました。意外ではありますが、ここまでの新しい挑戦の連続を見た後だと「ここからまた始めていくぞ!」という意気込みにも感じられ、バンナムフェス2ndの「未だ変わり続けている、現在進行形である」という宣言のような『CHANGE!!!!』と併せてまた新たな意味が曲に乗っかっていて、馴染みの曲ながらもまた別の力強さを感じました。

 

というわけで、初日は期待の何倍も超えるステージが見られて、翌日の現地参加がめちゃくちゃ楽しみになりました。公園時間3時間とは思えないほどの濃さだった。

 

全体のまとめ的なものは2日目の感想で改めて書きますが、ここで少しだけ触れておくと、今回は「アイマスライブ」に求めるものを200%感じられたライブでした。作り込まれたコンセプトとか、ド派手な演出とか、上手い歌やダンスとか、そういう「完成度の高いステージ」が見たくてアイマスライブに行くのではないだろうという、ここ数年感じていたモヤモヤを一気に晴らしてくれるような、そんなライブでした。

 

 

とりあえず初日についてはこの辺で。

 

【2日目につづく】