【ミリオン8th】最新型ユニオンエアーとしての「Twelw@ve」感想

2022年2月12・13日に開催された「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 8thLIVE Twelw@ve」両日配信で観賞しました。

 

本当は初日の現地チケットを持っていて、ギリギリまで行こうかどうか迷っていたのですが、感染状況と懐具合の兼ね合いで結局行くのはやめて配信にしました(主に懐具合)。唯一莉緒の新曲『週末だけのハーレクイン』とメンバーの揃ってる『真夏のダイヤ☆』を現地で観れなかったら悔しいなあと思っていて、直前まで気が気ではなかったです。

 

蓋を開けてみれば、というかユニットを順番に紹介するオープニング映像を見た瞬間に「これ“6thLIVE TOUR UNI-ON@IR!!!!(以下ユニオンエアー)”と同じやつだ!」と確信して、となれば前述の2曲が入る隙はほぼ無くなるので一瞬で安心しました。あと、ユニオンエアーは個人的に好きとは言い難いライブだったので、全く失礼ながら「これ現地で観なくても大丈夫なやつだ!」と、特に初日は不謹慎ながらウッキウキで初日は臨みました(2日通して観ると必ずしもそうとは言えなかったと思い直すのですがそれは後述)。ユニオンエアーは問題の多いライブでしたが、今回は同じ構成ながら問題点がだいぶ解消されていて、そこまで違和感なく楽しめました。

 

今回の「Twelw@ve」がユニオンエアーからどのようにブラッシュアップされているかを語るには、まずユニオンエアーの問題点について説明しなければならないでしょう。細かくは当時の感想(仙台Day1Day2、福岡Day1Day2、追加公演Day1Day2)で詳しく書いているのですが、はじめに今回の8thと構造が共通している地方公演について、大きく言えば次のような問題点が挙げられると思います。

 

・1ユニットごとに美咲ちゃんのMCとユニット紹介VTRが入るのでテンポが非常に悪い

 

・TV番組というていの中で前半のユニットパートと後半ライブパートとの整合性が無く、とってつけたようで一貫性がない

 

・個別衣装が後半のライブートでは非常にノイズになる。特にユニット曲では「ユニット間コラボ」と言いつつ、各ユニットから数人ずつとかなので、単にいつものライブをチグハグな衣装でやっている状態になっていた

 

細かく言えばそれはもうたくさんあるのですが、全体通して言えるところはこの辺りだと思います。そしてこれらの問題点は、追加公演の幕張である程度は改善されます。

 

・1ユニットごとだった美咲ちゃんのMCが2ユニットごとに

 

・ユニットパート+αのみの構成になり後半ライブパート自体が無い

 

・ユニット間コラボは全員まとめて一緒に歌っているので、しっかりコラボとして機能している

 

というわけで今回の8thライブですが、まず「TV番組」というていがなくなった時点で大半の問題が解決しています。

 

・各ユニット間の美咲ちゃんのMCが無くなり、ちょっとしたアニメーションだけで進行するのでテンポの悪さはそこまで気にならない

 

・TV番組というていが無くなったおかげで前半と後半で整合性を考えなくてもよくなった(とってつけた感はある)

 

・後半のライブパートはユニットごとで固まっているのでチグハグ感がなく、ユニット間コラボとして機能している。その上わざわざ「ユニットコラボ」と銘打ってもいないので身構えずスムーズに見れる

 

それからユニオンエアーでは美咲ちゃんのMC含め異常な回数の「振り返り」パートがありましたが、今回ではユニットパート中のMCでもそこまで振り返るトークもなく、気になったのは帰ってきた謎当日ダイジェストぐらいでした。そのダイジェストにしても、ユニオンエアーでは美咲ちゃんが「また見たくなっちゃいませんか〜?」とか言ってて非常に押し付けがましかったのが、今回は「よかったら一緒に振り返りませんか〜?」と慎ましい文言になってて少なくとも押し付けがましさは無かったです(やっぱ評判良くはなかったのかなあと思ってちょっと笑った)。これは衣装替えの時間稼ぎ(あと衣装再現した自慢)なのは分かるんですが、とはいえやはり当日ダイジェストは意味分からないので、他に何かないのかとは思ってしまいます。

 

ユニットパート中の演出にしても、ユニオンエアーのような大味で詰め込みすぎなものがなく、余計なことをしていなかったので非常に見やすかったです。ゲストのゴリ押し感もそんなに無くて(チカアモだけちょっと怪しかったですが)、ちゃんとユニットの世界観を広げる要素になっていたと思います。特に「≡君彩≡」などはゲストバンドのおかげで魅力が何倍にもなっていました。

 

ユニオンエアーでは同じフォーマットで計8公演もやっていたので、どうしても構成の単調さが目立っていたのが、今回は2Daysオンリーだったので単調さが気になりにくいというのも大きいと思います。

 

一方でどうなんだろうかと思う点もいくつかあるのですが、その前に各ユニットの中で特によかったところを先に触れておきます。

 

「TIntMe!」

今回衣装がどのユニットも素晴らしかったのですが、中でも「TIntMe!」の衣装がシックかつおしゃれで個人的には一番好き。特に稲川プロの似合いっぷりが尋常じゃなくて、ハットから何からめちゃくちゃ決まってました。プロは歌においてもあの『dear...』でさえキッチリ環の歌声を保っていて、一貫してそうではありましたが今回はそのすごさが如実に出てたと思います。そこに同じくキャラをぶらさず可愛さに寄せた育が合わさり、歌うま桃子が全てをまとめるという、とてもバランスのいいユニットだと思いました。あとメイクもいつもと違う感じがして、ドラマでの絡みもあるし何かしら工夫があったのかしら。

 

「≡君彩≡」

こればかりは現地で見たかった。アイカツ!の歌唱担当ならぬ演奏担当のメンバーがそろっていて、ユニット曲2曲とも格段に良くなっていました。そして何より『プラリネ』の気持ちよさよ。9thは全部生バンドでお願いします。それから『アイドルは、かく語りき』の印象も新しい歌うまりえしょんが度々登場していて圧巻でした。あとフォーマルめな衣装とかDJ含めたバンドの佇まいがあってか、ものすごいTVの歌番組感がありました。ユニオンエアーから数えても一番TVっぽかった。DJのHALUさんも定番の後ろでクラップしてるDJやってくれてたし。

 

「Jus-2-Mint」

個人的にWAVEシリーズの中ではこのユニットが群を抜いて好きで、ライブも予想通り予想以上最高でした。カバーはオシャレつながりで美希曲かダンスつながりでイノタク曲かとは思っていましたが、リミックス持ってくるのは流石に偉すぎる(歌うのはめちゃくちゃ大変そうでしたが)。7thでも感じてたクールな美奈子と安定した奈緒コントラストが音源よりもハッキリ出ていて生ならではの良さがありました。『Hang In There!』間奏前「C'mon! Hang In There!」「Build up!(ずっとイクゾ!だと思ってた)」のくだりはもともと好きだったのですが、今回ぜっきーの「C'mon! Hang In There!」が超かっこよくて音源超えて最高でした。このユニットはかっこ良さと可愛さとコミカルさのバランスが本当に絶妙で唯一無二。あまりこう思うことはないのですが、このユニットで無限にやってほしい。

 

個人単位で言えば、立花子さんがいつにも増して美しくて、出てきた瞬間からヤバかったです。そして「オペラセリア・煌輝座」は完全にこーりー無双でした。1人だけモノホン感がすごかった。細かく言えばもっとたくさんあるんですが、ともかくキャストは大変な中だったろうに、全員仕上がってて本当にすごいなあと思いました。

 

 

......というわけで、よかったところはここまででだいたい挙げたので、ここからはちょっと気になったところを。

 

まずは「バレンタイン」というテーマ。これは最近のライブ全てに言えることなのですが、テーマのとってつけた感がすごくて、その上前回の7thでの「ライブ」を「キャンプ」と言い換えるとか、テーマを表現する方法が毎回異常に説明的なんですよね。そして声高にテーマを説明する割に、内容の作り込みは結構甘かったりするので「このテーマだとするとあの曲やるのおかしくない?」みたいな違和感がよく出てくるのです。今回も「バレンタインにピッタリな曲をやります!」って言った後に『White Vows』で結婚したり、「リフレインキス」でしちゃったり、バレンタインとは?みたいな曲をやるので笑って集中できなかったです。普通にライブを観ていれば、歌がいいとかダンスが上手いとか顔がいいとかそういうところが価値基準になると思うのですが、最初に「こういうテーマでやります!」とか言われると「そのテーマにふさわしい内容になっているか」というまた別の基準が出てきて、そこで躓くとパフォーマンスに注目する以前に混乱して集中できないのです。そもそもテーマというのは公演を通じて観客に伝えるものであって、「これがテーマです」やってる最中に宣言するようなものではないですし、よほど作り込まれているならともかく、そうでなければ言わないか、言っても最後に言うとかのほうがいいと思います。テーマにまつわる今回の細かいところで言えば、ユニット紹介映像でユニットに見立てたチョコが箱に入ってくという演出がありましたが、正直だから何なんだというほかなかったです。これまでも城が何個あったとか、旗がどうだとか、鍋がどうしたとか、作ってる側はそういう世界観を持ってやってるのでしょうが、観てる側としては何の関係もない段取りにしかなってないので、考えたとしても秘するのがいいと思います。

 

前半各ユニット1組ずつ出して後半まとめてライブパートをやるという構成も、そうなるのは分かるんですが、単調さは否めません。見せ方もだいたい同じだし、やる曲もほぼ分かっているので、2日目にはすでにノルマ消化感を強く感じました。似た構成のTVの歌番組とかでは途中でいろんな企画を挟んだりして単調にならないよう工夫していますが、そういうのも無いので正直2日目は「Jus-2-Mint」をピークに途中で完全に飽きてしまいました。ただこれは両日配信で観たせいもあると思っていて(あと初日にはしゃぎ過ぎた)、1日でも現地で観ていれば比較しながら観れるので飽きずに観れた気もします。それを差し引いても単調であるのは間違いなくて、長くて2曲で流れが止められるので、せめてもう何曲か続けて聞かせてくれればライブ的な楽しさが出たかなと思います。

 

 

今回2日間ライブを観て、そもそもユニット展開自体好きじゃなかったことを思い出しました。なので今回は(あまり好きな言葉ではないですが)「Not for me」だったというだけで、ライブ自体はよかったんじゃないかと思います。なんだかんだ初日は超楽しみましたし、2日目もちょっと開けて見返したいと思います(「Jus-2-Mint」パートは何度か見返した)。

 

そんな気持ちになれるのも「MILLION THEATER SEASON」という、ユニットにとらわれない展開がすでに始まっていて、それが超いい感じだからです。アニメの絡みがどうなるかによりますが、普通に行けば9thは「MILLION THEATER SEASON」中心のライブになると思うので、そっちを楽しみに過ごしてきます。『真夏のダイヤ☆』と『週末だけのハーレクイン』同時に観れる可能性あるぞ!でも武道館はチケ取れないぞ!

 

 

それではこの辺で。

消灯ですよ。